その瞳に映るのは 3【ハイキュー】 (ページ29)

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そんなこんなあって、合宿は5日目を迎えた
連日の猛暑により、ペナルティはコート1周のフライングとなった。本日もペナルティをこなす烏野を見て一同は口を揃えて言った

「なんか烏野変わってきたよな」

この一週間もしないうちに烏野は続々と進化し続ける
新しい技を磨き、新しい対応をしなくてはこちらもならない
その高揚感に襲われ、さらに士気が上がるのだ
第3体育館では本日も自主練が行われていた

「あの、一応…僕ら試合になったら敵同士ですよね。
なんでアドバイスまでしてくれるんですか？」

「僕が親切なのはいつもの事です」

ブロッカーとしてもっとこうしたほうがいいと教える黒尾に月島が汗を垂らし聞くが、胸を手を当てふざけたように返ってきた。黒尾に冷ややかな目を送っている日向と月島に、Aは吹き出して先輩ドンマイと野次を入れた

「……ゴミ捨て場の決戦ってやつをさ、何とか実現したいんだよね」

いつかいっていた黒尾の目標
猫又監督の念願であるゴミ捨て場の決戦を今年最後である黒尾はなんとしても叶えたかった。猫又監督のためとは言わないが、自分たちも全国制覇を掲げているため目標は一致する

『先輩はツッキーが好きなんだよ』

「黒尾さんが月島のことを、すすすすす、好き！？」

「え…っ」

「チビちゃん真面目に受けとんな。Aさんそれは語弊がある」

ヨイショと立ち上がりジャグをシャカシャカ振って月島に突き出している。若干引いている月島に、黒尾はやめろ、とチョップをかます

『かく言う私も君たちが大好きである！』

胸を張ってドンッと仁王立ちをして日向と月島は指を指された
そんな様子を聞いていた木兎と俺もー！と乗っかってくる

「Aさんが、俺の……俺のことを……すす、好き……っ！？」

「だからチビちゃん真に受けんなって」

『こんな大好きなライバルと全国の舞台で試合できるのなんて最高じゃん！日向だって研磨と負けたらもう1回がない試合したいでしょ？』

「したいです！！」

『そういうこと、以上！』

と言い残し満足そうにジャグを受け取ると新しいドリンクを作るため体育館脇へと向かって言ってしまう
拍子抜けの月島に、黒尾は変な勘違いすんなよ。と一応柔らかい物腰で釘を刺しておく

「ねーねー！俺のことも好き？！好きって言ってくれよー！」

「木兎さん、話の流れっていうのがあります」

『んー、木兎さんはねー……普通かな？』

「えっ！！？？」

『肩揉んでくれたら大好き』

しゃがんで膝に肘を着いて頬に手を当て、目を細めて笑ったA、木兎はまんまと操られ、「この人悪魔かも……」と赤葦は眺めた