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「すまん、驚かせて…」

「おーい、うちのマネージャーを泣かすなよ〜」

謝る澤村と黒尾の間に座っているA
黒尾があやす様に頭を撫でて、よしよーし、と声をかける
何があったかと言うと、先程の様子に見てはいけないものを見たと驚いて反射的に涙目になってしまったことが原因である
しかも、いつも穏やかそうに見える澤村の顔が強烈に怖かったのと、倒れている赤葦がいてホラー映画のようだった

『ついビックリして、こっちこそすみません…』

「A、Aもやる?トランプ楽しいよ?」

心配した木兎は手に持っているトランプを目の前に差し出し、珍しく眉を下げてどうにか機嫌を直そうと必死である
が、フルフルと首を振り、断られた木兎

涙を出させてしまうほど酷い表情だったのかと地味にショックをうける澤村も両手でほっぺたをムギュムギュして筋肉を解している

「じゃあ俺が勝つとこ見ててね」

黒尾が口角を上げて言うと静かにコクんと頷いて、様子を眺めるAに、木兎と澤村も切り替え負けない…と静かに闘志を燃やした

「だーっ!!全然揃わねぇ!!どっちだよジョーカー持ってんの!」

「サームラさんだろ」

「いーや?俺は持ってないぞ」

真剣にババ抜きをし出す3人
この前に何があったのだろうか、そんなことを聞く余地もないため黙って様子を伺っていた。分かりやすい木兎を引き、澤村と黒尾は心理戦を繰り広げ何度も何度も試合を重ねる

「なあ、Aちゃん。木兎にどっち引かせたい?」

『んー、こっち』

黒尾のカードしか見ておらず、手元には数字のカード3枚とジョーカーがある。次は木兎が引く番で、黒尾は味方をしてくれるであろうAを使用した。Aが指さしたのは当たり前にジョーカーであった。

「ぐぬぬ…!卑怯だぞ…!」

「いや、別にジョーカー持ってるとは限らないだろ。木兎がだーいすきなAちゃんがご指名だよ?いいの、いうこと聞かなくて。さっきので嫌われちゃってんじゃないの〜?」

「おい黒尾…。」

こういう手の煽りは黒尾が抜群に上手くて、悩んだ挙句まんまとAが指したカードを引き、ぐあああああ!と頭を抱えた
そんなめんどくさいババ抜きがA合流から続き1時間が過ぎた

『……ん……。』

いつの間にか、Aも赤葦の隣で床に倒れ、寝息を立てていた。この3人のゲームを見ているととてつもない疲れが降り注いできてAは限界を迎えていた

しかし3人はやめることなくゲームを続ける
そして再び魔の教室の扉が開けられる

「あの…せん、ぱいですよね?」

「誰だ!!!!!」

まさにデジャブ。学ぶことの無い澤村は声を上げた

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作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時

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