118 ページ19
「へっへー！」
「くっそー！赤葦もう1本！」
昨日より人数が少なくなった第3体育館では、3人でスパイクやブロック練をしていた。強制連行されたAも今日はボール出しをしていて、黒尾のドシャットに拍手を送っていると、入口に人影が見える。先程木兎の誘いを断った烏野1年月島蛍だ
『月島くんだ〜』
｢おや？｣
｢おやおや？｣
｢おやおやおや？｣
入口に無表情出たっている月島に手を振るA。そして赤葦、木兎、黒尾が何だね？と言いたげな顔で声を掛けると聞きたいことがあると言ってきて、黒尾木兎は口を揃えて｢いーよー｣と答えた
｢すみません、ありがとうございます。お二人のチームはそこそこの強豪ですよね。全国に出場できたとしても、優勝は難しいですよね｣
所々尖った言葉が入っていて、しかし確実にそんなことは無い！と言い返せる言葉でもなかったため、ふたりはムッと顔を顰め、赤葦に宥められ話を聞いた。かく言うAも意外とキッパリ言うんだなこの子と苦笑いをした
話を聞けば、何故そんなにも部活を頑張るのか。将来にそれは意味があるのか。と純粋な疑問を聞いてきて、ある一言で会話が途切れる
｢バレーはたかが部活で───｣
｢ただの部活って……なんか人の名前っぽいな｣
｢おお、タダ ノブカツ君か…！いや待て、ちげえよ“たかが部活”だよ｣
｢だああ そうか！人名になんねぇ！惜しかったあ クソ｣
『タダ ノブカツ君……アハハッ！！！人の名前に連想させるのすごい木兎さん……プッ笑い死ぬ』
木兎と黒尾の掛け合いにAもツボに入ってしまい腹を抱えて笑いだし、3人を月島と赤葦は冷たい表情で、見ていた
そこから木兎により、月島がなぜ部活が楽しくないのかを論され、目を見開いた
それがお前がバレーにハマる瞬間だ───
誰しもその一瞬があるかないかで変わってくる
楽しむにも強さが必要だ
珍しく正しいことをいう木兎にAは驚いて、｢頭打ったのかな？｣｢一瞬冴えただけだ｣黒尾とコショコショ話をしていると、お前ら失礼！と怒った木兎の声が聞こえてくる
｢はい！質問答えたからブロック跳んでね〜｣
｢はいはい、急いで急いで｣
｢あっちょっ、あの……｣
おしまい！とでも言おうか、木兎が手を叩き早速月島を強制参加させようとコートの方へ背中を押すと黒尾もニヤニヤと笑い連行する
『見事な巻き込まれだ。仲間だ』
腰に両手を当て仁王立ちをし、木兎黒尾の策略を見事に賞賛して頷くA。お互いに巻き込まれている赤葦もドンマイと戸惑っている月島を目で追う
そして第3体育館では自主練が再開した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱるむ | 作成日時：2024年3月20日 6時
