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『すごい、全部で何玉あるんですか?』
「8玉頂いたんだよ〜」
合宿2日目昼過ぎ、宮ノ下に呼ばれ食堂に行けば机の上には大きなスイカが並んでいた。森然高校の父兄の方からの頂き物のようだ
「よし、早速切ろうか」
雀田が包丁を構え、大きなスイカを切る
パックリ割れたスイカは真っ赤でみずみずしい
白福とともにヨダレを垂らし細かく切れていく様子をふたりは椅子に跨りみていた
『〜……早く食べたい』
「スイカなら5玉はいける」
「お腹壊すよ…」
また大食い魂が騒ぎ出したと言っているAと白福に宮ノ下が苦笑いする。そうこうしているうちに清水も協力し、スイカを切り終え、皿にのせて体育館へ向かう
今日もムッと湿度が高い体育館で、練習に取り組んでいる部員たちへ少しでも涼んでくれたらと思う
「皆さーん!森然高校の父兄の方からスイカの差し入れでーす!」
宮ノ下が体育館の入口で大きな声で言えば、コートからは歓声が聞こえ、一時休憩となる
全員体育館外の芝生へと座り込み、モグモグと食べ始めた
「Aさーん、もう1切れ食べていいスか?」
『いっぱいお食べー』
「食べないの?」
屋根下の日陰で皿とゴミ袋を持ち待機していると、赤葦が口を動かしながら聞いてきた。Aたちマネージャーは運んでくる前涼しい部屋で存分に楽しんだため、今は仕事に徹底している
『あれ、黒尾先輩烏野の所にいる。珍しいな』
「……昨日の月島のこと言いにいったんじゃないかな
なんだかんだあの人は、スポーツマンとしてはしっかりしている所あるし」
少し毒を交えながらも、なにやら話している黒尾達を見つめている。
『そういえば昨日話した時、同じMBとして気にかけているてきな話してた。相変わらずの面倒見いいな』
「だね。木兎さんと黒尾さんに捕まれば面倒臭いことにはなるからね、でも練習としてはベストポイントだと思う」
うるさい熱血と煽り魔が揃っている第3体育館には今後近づいてくれないのかも、と少し考えるが月島の自由なので、特に口出しはしない
『ノヤ、龍、虎〜、ゴミここだよ』
「おお!サンキュー!!」
「ありがてえ」
坂から降りてきてキョロキョロしている2人に大きく手を振る
昨夜のことがあり、朝イチでAから話しかけられ西谷は、持ち前の明るさで仲良くなることが出来た。そして田中も清水とは違った女子の話しかけやすさに馴染んでいた
「いつの間に烏野と……」
『彼らは英国紳士だからねっ』
意味不明とした赤葦もまたいつの間にかAと仲良くなっていた1人であった
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作者名:ぱるむ | 作成日時:2024年3月20日 6時