誘拐されました【第三体育館組】

三十八話 ページ40

バァン！！


黒尾「誰も動くなぁあああ！！！！」


丁度三時…、鉄朗は観客の人たちに銃を向け、叫び出した。


いきなり周りはざわめき始め、泣き出す子供も出始めた。


…。


………なにこれ…。怖いよ…。


いきなりの恐怖に耳を塞いだ。


バァン


指の隙間からわずかに音が聞こえた。


さっきも聞いた音だ。


私はすぐに察した。


…誰かが一人を撃った。


『キャーーー！！！！』


恐る恐る、その人を見てみると胸に当たったのか、そこからたくさん出血していた。


「うそ…」


私は逃げ出したくなった…。


だがしかし鉄朗に引き寄せられて台本通りに進んでいった。


黒尾「おい！！誰か一人でも逃げようとしたらこいつに続いて、お前らもぶっ殺す」


そして鉄朗が持っていた銃は私の頭に押さえつけた。


「やっ…」


鉄朗は私様子に気づいたようで、耳元に顔を近づけてきた。


黒尾「もう泣かなくてもいい。お前は何も見んな」


私は恐かったためか、いつの間に頬を濡らすほど泣いていた。


鉄朗は私を優しく引き寄せた。


私は嬉しいのか悲しいのかわからなくて、鉄朗にしがみついて涙を拭った。

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