黒い犬は私を守りたいようです【シリウス･ブラック】 (ページ29)

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夢のようだった。

黒い犬を見た。

暴れ柳の根元へと潜って行った犬を。

そんなの、シリウスしかありえないよ。

私はうさぎに変身して暴れ柳の根元の穴へと入っていった。

やがて犬は人型になり、その姿はシリウスになった。

髪は伸びて、ガリガリに痩せていた。
服も汚いままだ。

『シリウス……』

恐る恐る、声をかけた。

どうか、どうか私の知っているシリウスでいて。

全て冤罪だと、説明して。

シリウスは驚いた顔をした。

ｼﾘｳｽ「……随分小さくなったな、姫」

『あの魔法の効果のひとつらしいわ、旦那様』

シリウスは少し屈んで私を抱きしめた。

……他から見たらシリウス、ロリコンに見えない？

大丈夫？

『……変わってなくて、良かったあ、』

シリウスは、あの時の優しいシリウスだ。

私に、温かいをくれる。

『ずっと、ずっと会いたかったのに、そばに居るって言ったのに！』

ｼﾘｳｽ「ごめん、ごめん……私のせいだ」

それから、沢山話した。

私は一日中授業をサボって。

リーマスやセブルスが教師をやっていること、

ハリー達と友達になったこと、

ずっと、貴方に会いたかったこと。

ｼﾘｳｽ「Aが、生きていてくれて良かった」

『私も、シリウスと会えて嬉しいわ、』

シリウスは、何故こんな事になったのか説明してくれた。

秘密の守り人、ピーターの裏切り、リリーとジェームズの死、そして、全てを擦り付けられたシリウス。

聞くと、あの日私とシリウスが森で襲われたのもピーターの裏切りだったらしい。

そんなの、あんまりだよ。

友達だと思っていたのに。