私にだけ雪が降る （SnowMan）

27 ページ27

・






side 蓮








Aちゃんは気づいていないだろう。






平和そうに見えて、男たちのバッチバチな戦いが、毎日繰り広げられてるのに。






特に、翔太くん、ふっかさん は 必死 。






翔太くんは、小さい頃からの絆ってやつがみえて


2人の間には入り込めない。



幼なじみってずるい。







ふっかさんは、持ち前のチャラさと人懐っこさで、


休憩時間、毎日Aちゃんと楽しそうに喋ってる








…俺は？





翔太くんにもふっかさんにも宣戦布告しといて





俺は、？








自分の行動力のなさに腹が立つ






あーあ今日も全然喋れなかったな




とか思って落ち込んでたら、







階段で座りこむAちゃんを見つけた






肩で大きく息をしていた







｢Aちゃん、？｣







声をかけると、いつもとは明らかに違う、


目がとろーんとしてて、頬が赤く染まったAちゃんが、顔をあげた








｢蓮さん…｣







蓮 ｢どうした？辛い、？｣






｢いや…大丈夫です｣






そう言って立ち上がろうとするけど、どう見てもフラフラで。






蓮 ｢Aちゃん…無理したでしょ｣






｢…｣






蓮 ｢無理はしないって約束でしょ？｣






｢…ごめんなさい、｣







Aちゃんの首の後ろと、膝の後ろに腕をかけて、持ち上げた






｢っ、蓮さん！？大丈夫ですよ、歩けます、！｣







蓮 ｢こんなあつい体で何言ってんの、｣







最初は少し力が入っていたが、観念したのか

だらんと俺に身を預ける






こんな時でも、ラッキーとか思ってる自分が、重症度を認識させる








｢蓮さん…｣





｢ありがとうございます｣







俺の首に軽くぎゅっと抱きつくから 。





あーー、 降ろしたくねぇ









・

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す