小悪魔執事と恋ゲーム【YaotomeHikaru】

LoveGame35 ページ35

少しの間が空いてから、






お父様はﾆｯｺﾘと笑いながらこう言う。






父「実はな、出張中に知り合いと偶然逢ったんだ。」






A「…それがどうかしたの？」






報告と関係があるのかしら？






父「まぁーそう早まるんじゃない。知り合いの薮さんには、
　 Aと同じくらいの年齢で息子が居るらしいんだ。」






A「ふーん。」






なんだ、そんなことか。






年齢が近い息子が居たって言われても、






私には関係ないことだし興味なんて無い。






それよりも窓越しに八乙女と絡み合う、






視線の方が気になる…。






父「あんまり興味なさそうな反応だね？」






A「だって、逢ったことない人のこと聞いてもピンと来ないわ？」






父「そう言うと想って、明日逢う約束をしてきたよ。」






A「へ？逢う、約束？」






ちょっと、待ってよ…。






逢うなんて私一言も言ってないわ！






父「薮さんの息子さんも逢いたいと言っていてくれてね。」






A「ちょ、お父様！？突然過ぎない…」






父「大丈夫だ。優しい子だから何の心配も無いよ。」






頭撫でられたって、全然嬉しくないよ…。






後ろで聞いてた八乙女の表情にも雲行きが、、、。






父「明日はおめかししていきなさい。頑張るんだぞ。」






A「お、お父様っ！！」






あーあ…リビングから出て行っちゃった。






きっと、お父様帰っちゃう。






このまま、すっぽかしたりしたらダメよね。






行くだけ行ってみるしか…。






どうせ逢うだけだもの。






光「……お嬢様。」






A「ｷｬｯ！？や、おとめ…驚かせないでよ！」






気配感じさせずに、後ろから近づいてくる八乙女。






考え事してたから余計に驚いた…。






って、なにそんなに無愛想な顔してんのよ！






ムカつくわね…。






言いたいことあれば、言えばいいじゃないの。






ハッキリしない性格なんだから。






A「突っ立てないで、反応でもしたらどうなの？」






そんな、目で訴えられても…分からないし。






＿＿＿ギュッ！






A「え、ちょ…八乙女？！」






光「行かないでください……」






抱きしめる君の顔は、髪に隠れて見えないや。






ただただ温もりに息が苦しい。

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