小悪魔執事と恋ゲーム【YaotomeHikaru】

LoveGame25 ページ25

八乙女side






今日の朝、俺は荷物をまとめて部屋を出た。






置き手紙も置いて。






正直、手紙を書く時に手が震えたんだ。






別れを今更怖がってるとか…。






でも、今の俺は俺じゃない。






もっと意地悪で最低な奴だ。






そろそろ本当の自分に戻らないと。






覚悟を決めて、俺は隣町までやって来た。






でもこの時の俺は、お腹が空いてｲﾗｲﾗしそうだった。






だから朝食を済まそうと、少しカフェで休むことにしたんだ。






大好きなコーヒーで、気持ちを落ち着かせた。






なのに、、、何でだよ。






何で目の前には…Aが居るの？






どうして息切れしてるの？






別に俺のことなんか、ほっときゃいいのに…。






息が切れるまで探さなくて良かったじゃん！！






戸惑うだろ…？






せっかく、覚悟決めて次の人生歩もうとしてるのに。






A「人を苦しめて楽しい？満足した？」






戸惑うことなく言うAの目は、冷たくて色なんて無かった。






きっと初めてだ。






そんな冷たい目は。






A「何か言ってよっ！黙ってたら分からないじゃない…」






言いたいこと、伝えたいこと。






沢山あるはずなのに。






出てくる言葉は、






光「俺行くから。」






何ともぶっきらぼうだ…。






いつになれば、俺の心は素直になれるんだろうか。






A「ちょっと…！」






それでも服を掴んでくれるAは優しすぎるんだ。






俺なんかにもお人好しなんだ…。






光「離…」






A「行かないで…っ。」






泣きそうな震えた声で言うから、びっくりしたよ。






やっと素直になれた気がした。






光「ごめん…ちょっと意地悪しすぎた。」






A「うぅ…っ。」






子供みたいに泣きながら、抱きつくAの頭をそっと撫でた。






ごめん……泣かせて。






でも俺まで泣きそうになってくるから。






本当はAと離れたくないのに、いつまでも俺は自分を苦しめていた。






自分で自分の首を苦しめていただけだ…。






どんなに多くの女を裏切っても、満足なんてしなかった。






全然復讐なんか出来なかった……じゃん…。

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