仲良し家族*番外編 2 (ページ7)

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俊Side

あの時もそうだった。
いつもと同じように周りに笑顔を見せていたけれど、俺には違って見えて。
何か隠してるって直感でそう感じた。

あの時は確か、雅紀のお父さんが海外に出張に行ってしまった時だったっけ。
お兄さん達も仕事で忙しいから、我儘言っちゃいけないって、正直に泣きながら話してくれたっけ。

話してくれるまで、俺はずーっと雅紀を抱きしめてて、観念したかのように、話してくれたよね。

「……雅紀。このまま詳しく話さないででスッキリするなら良いけど、雅紀が苦しんだままなら俺、このままで居るよ。」

雅:「…くふっ、俊介ほんっと……、昔と変わらないね。」

「本気なんだけどなぁ。」

観念しなさいって。いつからの付き合いだと思ってるの？

雅:「……、父ちゃん入院しちゃって。
俺、この前、肺やっちゃったでしょ。その入院中さ、父ちゃん凄い仕事忙しかったみたいで、その仕事の合間をぬって面会きてくれてて毎日。……それで、過労で。」

やっと話してくれた。

「ん。そっか。」

雅:「ん。俺のせいじゃないっていうけど…やっぱりさ…俺、考えれば考えるほど訳わかんなくなっちゃって…。こうやって考えてること、兄ちゃん達には言えないし、父ちゃんの前でもこんな顔見せられないし。……父ちゃん、俺の笑った顔が好きだって言ってくれてるから。」

「ん。」

雅:「…ん、でも、…でも、ちょっと笑うの疲れちゃった。俊介……。」

こうやって、聞いてあげることしかできないけど、

「雅紀。俺、雅紀のこと大好きだよ。」

そう、昔と同じように言えば、
雅紀は、

雅:「…俺も。俊介、大好き。」

って、抱きつく力を強めて、呟いた。