仲良し家族*6 (ページ22)

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智Side

「え？雅紀が飲み込めてない？」

雅紀の様子を見に部屋に向かったおいら。

雅紀はもう眠っていて、その隣で翔が雅紀の身体を優しく撫で続けている。

翔:「ん。水分もさ、摂らせたんだけどむせこんじまって…。うどんも結局食べれなかった。」

翔の目には涙が一杯浮かんでいて。

「翔…。」

おいらが、翔の身体を後ろからギュッと包み込めば、

翔:「智に……、なんで、なんで………。なんで、雅紀なの…っ。毎回毎回……、いっつも…。俺、、」

翔の目からは、堪えていた涙がポロポロと流れ続ける。

「翔。よく聞いて？……雅紀、、、嚥下障害かもしれない。大丈夫、今の状態が落ち着いたら治るよ。ゆっくり、治して行こう？まず、潤に食事を改善してもらおう。おいらから頼んでおくから、ね？」

まだ一回だけだから、確定したわけではないけども。
「むせ」に「飲み込む機能の低下」。
考えられるのは、心理的な嚥下障害。

翔:「……こいつに…いつまで辛い思いさせないといけねーのっ？もう、見てらんねーよ…」

雅紀の手を自分の震えている手でギュッと握りしめている翔。

分かるよ、翔。
自分の息子が辛い思いしている所を好きで見ていたい親なんて居ないもの。

だけど、だけどね、翔。

「翔。今、一番辛いのは誰？…雅紀でしょ。何甘ったれたこと言ってんの！！雅紀の親は翔だけなんだよ！」