仲良し家族*6 (ページ16)

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智Side

翔:「ごめ…、智兄…俺っ」

診察室には、
おいらと心療内科の先生に来てもらってる。

和から連絡を受けて、
”なんで気付いてやれなかったんだろう”
って自分をまず責めた。

でも、おいらが今できることは、
医者として、家族をサポートすること。
そして、長男としてサポートすること。

そう気持ちを切り替えて、今に至る。

「翔、大丈夫だから。
こちら、心療内科医の先生。」

翔:「心療内…科…？」

雅紀を抱きしめている翔の手に力が入る。

「うん。今回、潤から聞いた症状。
そして、今声がでないこと。それらに当てはまる病名は、心療内科の先生に診てもらうのが一番いい。」

翔:「やっぱ……り、俺が…。俺が、雅紀を苦しめたんだ…っ。」

和:「翔兄…。違う。違うよ？」

翔と雅紀を真ん中に挟んで座っている
和と潤。

和は翔の背中をさすり、
潤が雅紀の頭を撫で続ける。

城:「お父さん、大丈夫。ほら、見て？息子さん…雅紀くんがお父さんのこと心配そうに見つめてますよ…。ね。私と一緒に、雅紀くんを元気にしましょう？」

おいらの隣に座っている
心療内科医の城島先生。

先生は、患者さんや患者さんの家族に
”頑張りましょう”
ってワードは絶対に使わないんだ。

この先生なら…、
きっと雅紀を元気にしてくれるよ。