56話 ページ6
＊
「すみません、ケガさせました」
エンデヴァーの病室を出たホークスとAは病院の屋上にいた。
雄英高校から出張してきたリカバリーガールの個性で一命を取り留めたエンデヴァーに、Aはホッと胸を撫で下ろした。まじでシャレにならない。
安心してカエルのように丸まったAの背をホークスは擦る。
兄弟想いの優しい兄だと認識していたが、その心配は親にも向いていたようだ。
親という存在に向き合わなかったホークスは少しだけAを羨ましく思ってしまった。
「すみませんって、別におまえがやったわけじゃねーだろ。何の謝罪だよ」
痛いところを突いてくるAにホークスは眉を下げる。
「いや、俺がトーヤさんたちを福岡に呼んだんで……」
「あの人じゃなきゃ倒せなかったろ」
ホークスとAでは火力が足りない。
再生能力のない人間相手であれば、倫理観は捨て置いて、脳を切るなり腹をぶち抜くなりで仕留められるがパワー系には相性が悪かった。
どこか歯切れの悪いホークスをAは不思議に思ったが、そういえばエンデヴァーのファンなんだっけかと自己解決する。
それよりもAには今朝から気になっていることがあった。
「ホークスさァ」
「はい」
「火葬現場にでも行った？」
「はい？」
Aの突拍子もない質問に、ホークスは素っ頓狂な声が出た。
厚みのある重たい扉で仕切られた院外は、ホークスとA以外の存在を感じ取れない。
「すごい臭うよ。肌の灼ける臭いだ」
「……」
あ、とホークスは思い当たった。
昨晩ホークスは廃屋で荼毘と会っている。病院で手当てをされて軽くシャワーを浴びてから行ったため、荼毘と会ったあとは風呂に入っていない。
ホークスはその質問にNOを答えながら、広範囲に広がるAの火傷跡に目を移す。Aはホークスの視線に気づいて左腕を振った。
「あれ、違ったか。見ての通り自信あったんだけどなァ」
「それ、敵との交戦か何かですか？」
「子供ンときに家でね」
ホークスはエンデヴァーの顔が頭に浮かんだ。
幼い頃からヒーローになるための特訓でもしてきたのだろう。ついでに以前から気になっていた右手のグローブについても同様かと訊ねた。
「あーこっちは＿＿＿」
恥ずかしそうにグローブを外してAはホークスの眼前に右手を突き出した。
「え」
「自分でバカやった」
3本しかない指に、ホークスは目を見開いた。
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緑猫(プロフ) - さぶろうたこさん» コメントありがとうございます！またまた褒め上手な方がいらっしゃいましたね、、とっても嬉しいです！今読み返すと目を背けたくなるような文章が多くあるので、今後の糧にしていきます笑 (2022年3月16日 23時) (
レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
さぶろうたこ(プロフ) - ハートを付けに来たら、気づいたら一気読みして読み終わってました。。ほんとにこの2人の関係性スッッキです！文も綺麗で…最後の方とかあぁ終わっちゃう〜って思いながら読んでました笑ほんと好きです！ありがとうございます🙇♂️ (2022年3月15日 21時) (レス) @page50 id: a822d640f3 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 作さん» コメントありがとうございます！書いちゃいました…照 こちらこそ、読んでいただきありがとうございます！ (2021年10月12日 18時) (レス) id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
作 - え………え？！？！そのネタ来ちゃいます？！女体化とか…好き……書いてくれてありがとうございます！！！！！ (2021年10月11日 22時) (レス) id: e1fc2cd2b3 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 朝陽さん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！嬉しいお言葉です…完っ全に癖(へき)丸出しなので、朝陽さんとは良く語れそうです…笑 思いついたら書いていきますので、ゆっくりお待ちいただければと思います！ (2021年10月6日 22時) (レス) @page34 id: dd1c3e784a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2021年9月22日 0時
