No.315 ページ7
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それから数日経って、修学旅行のあれこれを決めるホームルームがあった。週に3回くらい、六時間目は必ずこの時間。最近の私の楽しみだ。
私の班には葵の他に里奈とアインがいたから、怖いものなんてナシ！修学旅行が待ち遠しいんだ。
一日目に山梨、二、三日目には京都、奈良とつめつめスケジュール。今決めているのは、三日目の京都探索について。
私たちはその日、班で自由に組んだ予定を元に京都の街を巡るんだ。班行動だから先生や他の生徒とは別々だし、まるで四人で旅行しに行くみたい！
「畑中さんはどこに行きたいの」
葵はそう言って京都観光と書かれた雑誌を広げる。
「やっぱ伏見稲荷でしょ！あの並んでる鳥居、全部通ってみたい！」
「全部は多分、かなり時間がかかるよ」と言いながら、葵はしおりに伏見稲荷と書き込んでくれた。彼は記録係なのだ。
「俺はよく分からん！ジャイアント・テンプルで！」
「なんだそれ」と私はアインを横目に見る。私も地理には疎いけど、アメリカから来てる分アインは日本の建物のこと、もっと知らなそう。
「とりあえず大きければいいんでしょ。あ、ここは？八坂神社！」
私の提案に「テンプルじゃないし……」と葵の鋭いツッコミが入る。テンプルってお寺のことかあ。
「ヤサカ神社はギオンの名所……なんかカッコ良さそーじゃん、行ってみようぜー！」
高々に上がったアインの腕を避けながら、「いいね、縁結びの神社…」と書き込む葵。それを聞きつけて、「師匠さっすが〜っ！」どこからか和葉がにゅるりと現れる。
「八坂神社にはオオクニヌシ様という、縁結び界隈を束ねる偉大なお方が祀られているんだよ。行くっきゃないねっ！」
縁結び界隈という聞き慣れない単語はさておき、和葉は情報屋ってだけあって物知りだな。
「もちろん、全国各地の縁結び神社は把握済みっ！」と得意げな和葉に「俺もだよ」と葵がまさかの共鳴。もういっそのこと、二人で占いでも始めたらどうかな？
「里奈はどこに行きたい？」と、私は恋バナで盛り上がっている彼らの横で話しかけた。里奈は少し悩んでいて、「京都には、家族で何度か行ったことがあるから…」と雑誌を捲る。
「じゃあ行ったことないところとか、行けたらいいね！」
「…うん、恵林は他にどこか行きたいところはある？」
「えー、私はよく分からなくて。アインと同じこと言っちゃうけど、せっかくなら広くておっきくて、楽しいところがいいなあ」
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» 今回は出すつもりのなかった波瀬兄弟まで首突っ込んできたので畑中と絢瀬妹の性格について色濃くピックアップされた回になりました。感想いつもありがとうございます。励みになります。 (8月5日 4時) (
レス) @page49 id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ - まさかのしーちゃん回でこれでやっとみんな救われたのかなって...。しずくと修也くんの関係、歪んでて最高です。次回の修学旅行編楽しみにしてます！ (8月5日 4時) (レス) @page49 id: 970cecf5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2023年8月2日 23時
