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No.341 ページ35

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「よしよし、それじゃあしずくちゃんの番だ!」

「へ?」

突然話を振られて困惑するしずく。

「忘れたの?野嶋くんは高橋さんに告白して、ついでに謝るって決めたよ。残すはしずくちゃんが野嶋くんに謝るだけ!」

「なんで謝罪の方がついでなんだよ!」と野嶋から突っ込まれたが、恵林は「ほらほら」と、気にもとめずにしずくの背を押した。

「えっちょっと!ボ、ボクは…!!」と焦るしずく。

「ボクはまだ許してません!」

「嫌なことをされたからって、嫌なことをしていいわけじゃないんだよ。負の連鎖は、当事者である君が断ち切らなきゃいけない……って、誰かが言ってたよ。」

「コトバの受け売り良くないですよ!」

「あはは…いい言葉が思いつかなくて…」と苦笑いする恵林。しかししずくは野嶋の目の前まで突き出されて、最早逃げることなどできなくなってしまった。

ぱちぱちと二人の視線が交差する。野嶋も気まずそうに首に手を当てて、どことなく落ち着きがない。

「謝れー…」と小さなブーイングがギャラリーの男子たちから聞こえてくる。しずくは居心地の悪さにゴクンと唾液を飲み込んだ。

さっさと終わらせてしまおう…

「こ、この度は…数々の悪行、大変失礼致しました、ハイ。」

しずくの捻りだした適当な謝罪はやはり受け入れられることはなく、「なんだその誤り方は!ちゃんと謝れ!」「誠意を見せろー!」などと、ブーイング大喝采を生んでしまった。

「わーうるさいですね!ハイハイちゃんとすればいいんでしょう!」と、しずくは周りのギャラリーを黙らせる。

仕切り直しだ。「頑張れ…」と親目線で応援する恵林。しずくは大きく息を吸って、これまた大きく吐き出すと、くわっと目を見開いて叫んだ。


「悪いことして、ゴメンナサイ!!!!」



キーン…

「_____うるっせ!」と野嶋は耳を塞ぐ。鼓膜がはち切れんばかりの甲高い叫びだった。

「うん、百点!」と恵林は親指を立てた。しずくはスッキリした顔をしていた。

「ホント、恵林センパイなんなんです、ウザイです」と、野嶋同様、恵林の先輩面にうげっと顔を顰めて言う。しずくが身にまとっていた可憐な可愛さはもうどこにもない。それどころか、態度も話し方も、双子の兄であるけいとと瓜二つになって生まれ変わってしまった。

「やっぱり似てる!」と、恵林は嬉しそうにしずくの頭を撫でた。

「触らないでください、ボクの価値が下がります。」

「アレ!?けいとくんより辛辣!?」

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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» 今回は出すつもりのなかった波瀬兄弟まで首突っ込んできたので畑中と絢瀬妹の性格について色濃くピックアップされた回になりました。感想いつもありがとうございます。励みになります。 (8月5日 4時) (レス) @page49 id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ - まさかのしーちゃん回でこれでやっとみんな救われたのかなって...。しずくと修也くんの関係、歪んでて最高です。次回の修学旅行編楽しみにしてます! (8月5日 4時) (レス) @page49 id: 970cecf5ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎ※息を吸う | 作成日時:2023年8月2日 23時

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