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No.330 ページ23

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「そんなことよりレイちゃん!」と私は話を逸らす。

「ライガの放課後の予定とか分かる?」

「知りませーん」と、ぷいっとそっぽを向くレイちゃん。

「私の後輩に、ライガから果たし状を貰った子がいるんだけど」と話しても、「ほーん」とまともに聞いてくれない。

「お願いだから喧嘩するのやめてって伝えて欲しいんだ、戦犯はライガの友達の方なんだよ。やり返されたからって更に仕返しする必要ないでしょ?」

「なにそれー、三号ちゃんの後輩だって悪いことしたんでしょ?なんでライガが手を引かなきゃいけないのー?」

ふんふんと鼻歌を歌いながらしーくんにぴったりくっつくレイちゃん。私たちはちょうど下駄箱の前を横切ろうとしていた。



「あ〜っ!センパイたち!」

そこに、しずくちゃんが待っていた。

「あれ?知らないセンパイもいる…初めまして、絢瀬しずくです。」

しまった…悪いタイミングで会っちゃった。私が変に勘繰っていたことがバレたらまた嫌な雰囲気になっちゃうかな。

しずくちゃんは急にませたかと思うと、スカートをつまんでお姫様のように挨拶をする。確か私たちとの初対面もこんな風に丁寧にお辞儀していたな。

しかしレイちゃんは挨拶を返すことなくじっとしずくちゃんを見つめて、「アヤセシズク?」と首を傾げる。

「…あーー!」

しばらくして彼は大きく目を見開くと、よれた袖からビシッと人差し指を伸ばしてしずくちゃんを指さした。



「キミ、一年で有名な絢瀬しずくちゃんかあ!ライガが言ってた、可愛い顔してえげつない嫌がらせをするいじめっ子でしょ!」



________え?

嫌がらせ?いじめっ子?一体なんの話だ?

私はゾッとしてしずくちゃんを見た。
しずくちゃんもまた、丸くて大きな、獣みたいな瞳で私を見ていた。



「……え、ちょっと待って。どういうこと?」

私はレイちゃんではなく、しずくちゃんに聞く。しずくちゃんは頼りなく微笑むと、「さあ…」と困ったように眉を下げた。

「聞いたよぅ?男子の上履きに画鋲入れたり、体操服袋に釣り針引っ掛けたりしたんだって?しかも他クラスの!」

「いやあ〜エグいね!」とレイちゃんは手を叩いて笑う。いや、笑っている場合じゃない。

「じゃあライガの果たし状はなんだったの?代わりにしーくんにやっつけてもらうって言ってたのはどういう意味?」


「え?」と、しーくんが私に顔を向ける。


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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» 今回は出すつもりのなかった波瀬兄弟まで首突っ込んできたので畑中と絢瀬妹の性格について色濃くピックアップされた回になりました。感想いつもありがとうございます。励みになります。 (8月5日 4時) (レス) @page49 id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ - まさかのしーちゃん回でこれでやっとみんな救われたのかなって...。しずくと修也くんの関係、歪んでて最高です。次回の修学旅行編楽しみにしてます! (8月5日 4時) (レス) @page49 id: 970cecf5ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎ※息を吸う | 作成日時:2023年8月2日 23時

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