No.280 ページ10
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「大事なのは、踏み出すことだから。」と、目の前の小さな後輩と目を合わせて告げる。しかしすぐに表情を崩すと「ま、まあ、私も昔、友達にそう言われたんだ」と言って恥ずかしそうに頬をかいた。
「さあ行こう、けいとくん！」
「えっ！？あ、ちょっと！」と柱から引き剥がされる絢瀬。恵林は「ひぃ緊張する！」と笑いながら絢瀬を先に座らせ、膝で抱えるようにしてスタート地点についた。
「それじゃ出発進行ー！」
「待ってください！まだいいって言ってなーーい！」
＿＿＿＿
ゼーハーと荒い呼吸を整えて、絢瀬は小鹿のような足取りで「死ぬかと…」と呟いた。
対照的に楽しそうな恵林は満足げで、数時間前の憂鬱など吹き飛んだかのような満面の笑みを浮かべてスライダーから降りる。
「遅かったな！」とそれを待っていたアインとしずくが出迎えた。
「恵林センパイ…最低です、鬼…」
「ええ、楽しそうにしてたじゃん！」
「どこがだよ！？」と流石の絢瀬も血管を浮き上がらせてツッコミを入れる。それをしずくがくすくすと笑い、「けいと、滑れて良かったね！」と彼の前進した一歩に喜んだ。
「……まあ、ただ滑れただけだけど。」
ぽっと顔を赤くして、照れたように小さな声で言う絢瀬。しずくはそんな絢瀬の頭を「えらいえらい」と撫でてやった。
「次！次何滑る！」
アインがピン！と手を上げた。「ええー！まだ怖いことするんですか！」と悲痛に満ちた声を漏らす絢瀬。そんなのお構い無しに、アインは次のウォータースライダーを目指して歩き出した。
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そちゃ(プロフ) - おい氏橋！ついにやりやがったな...と、友達目線で読んでました。今回のお話はキャラのらしさ全開で読んでて楽しかったです。アインくん不穏でしたが彼ならきっと乗り越えられると願ってます....続き楽しみにしてます。 (2023年3月22日 21時) (
レス) @page46 id: 970cecf5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2023年3月15日 23時
