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No.276 ページ6

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翌日。
インターホンのチャイム音で目を覚ました恵林は、くまのひどい両目を擦りながらのそのそとベッドから起き上がった。

音を立てないように玄関のドアスコープから外を覗く。

「またあんたか!!」

バタン!と思いっきり扉を開けば、恵林のツッコミなど気にも止めないアインが「遊ぼーぜ!」と眩しい笑顔で出迎えてくれた。
サングラス型の日焼け跡もまだくっきりと残っている。

寝癖をかきながら辺りを見渡すが、里奈の姿はない。「今日は一人なの?」と聞けば「まあな」と目を逸らすアイン。熱風が家に入ってくる。

「暇なんだ、お前も同じだろ?」

なんとなく恵林はアインの心の中が見えたような気がして、あまり深く聞くことなく「どこ行くの?」と話題を変えた。

アインは嬉しそうに「プール!」と答える。
彼の背負っているナップザックには水着が入っていると分かった。

「準備万端じゃんか…」と呆れる恵林に、「恵林が断るワケないしな!」と豪快に笑うアイン。
恵林は彼を玄関前で待たせて、プールに向かう準備を始めた。

昨夜、結局手紙は書けずにうたた寝していた恵林は、深夜に目を覚まして寝直したので睡眠不足だった。くあっと大きなあくびをして外に出ると、目をしばしばさせながらアインと共に市民プールに出かけた。

目的地は自転車で二十分程の場所にある。
一昨年に改装工事が行われたその市民プールは、夏休みということもあり大変賑わっているようだった。暑さから我先にと逃れるように、二人は施設内へ続く自動ドアを足早に抜けた。

「うわあ!私、新しくなってから初めて来た。すご、岩盤浴もあるの?」

券売機横のポスターに目を丸くする恵林。プール以外の設備についてかかれている。

「そういえばあったな、去年入りそびれたんだった!」と財布を取りだしながらアインが笑う。「去年も誘えよ!」と恵林がツッコめば、「あん時はしーくんと行ったんだぜ」と誇らしげな返事が返ってきた。

受付で二人分の券を渡す。代わりに配られたロッカーの鍵をしっかり足首に装着し、「んじゃ、後でな!」とアインが男性用更衣室に入っていく。それを見届けて、恵林も赤いのれんをくぐると、指定されたロッカーを開いて荷物を押し込んだ。



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そちゃ(プロフ) - おい氏橋!ついにやりやがったな...と、友達目線で読んでました。今回のお話はキャラのらしさ全開で読んでて楽しかったです。アインくん不穏でしたが彼ならきっと乗り越えられると願ってます....続き楽しみにしてます。 (2023年3月22日 21時) (レス) @page46 id: 970cecf5ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎ※息を吸う | 作成日時:2023年3月15日 23時

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