No.297 ページ30
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和葉はふっふっふーと笑って、「きっと上手くやるよ！」と言って見せた。
中村と和葉が焼きそばとわたあめの屋台を探して歩いていると、偶然恵林たちに出くわした。
「ちょっとちょっと！」と近所のおばさんのように駆け寄ってくる恵林とアインに、和葉は身構える。早速最初の砦が現れた。
「さっきそうちゃんと美江を見たんだけど、何アレ！デート！？」とノリノリな恵林。思考回路が和葉に似てきている。
「いい感じでしょ、見守ってあげて〜」と親のような優しさで中村が言った。
「宮野のやつ、ずっと顔真っ赤でおもしれーの！」
ケタケタ笑うアインに「そうちゃんも赤かったよ！」と追加で笑い出す恵林。野次馬二人に微妙な視線を向けながら、ふと和葉は「里奈ちゃんは？」と、あるはずの姿を探した。
「あれ！？里奈ー！！！」
慌てて振り返り、すっとんでいく恵林。「マズイまた迷子か！？」と青ざめるアインに、「また？」と中村が首を傾げた。
「もう今日だけで二回もナンパされて連れていかれそうになってんだよ！早く見つけねーと！！」
「じゃあな！」と言って居なくなるアイン。残された二人は顔を見合わせて、「流石里奈ちゃん…」と苦笑いを零した。けれど和葉は一安心していた。中村が恵林に一緒に回ろうと言い出すのではないかとハラハラしていたのだ。
気を取り直して、見つけた焼きそばの屋台に並ぶ。「奢るよ」と言って中村がボディバッグから小銭入れを取り出すので、和葉は「悪いよ！」と言ってそれを止めようとした。
「なんで？いいじゃん奢らせてよ。ていうかその簪、去年葵が鍵代わりにしたやつだよね！」
「へっ」と和葉は頭に手をやる。その隙に中村は焼きそばを二つ購入してしまっている。
あっ、と和葉は思い出した。去年の夏祭りで起こった屋上落下事件の際、開かない校門の鍵の代わりに、この簪を代用したのだった。
「あおちゃんったら無茶ばっかするよね〜。本人は目立つこと嫌いなくせに、何かと大胆で嫌んなっちゃう。」
中村はそうは言っていたが、なんだか嬉しそうだった。友達の話をしている彼の表情に、和葉は満足気に微笑む。楽しげな中村を見るのが好きだ。
「少し妬けるな」と和葉は零す。
視線だけこちらに寄越して、中村が「どうして？」と笑った。
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そちゃ(プロフ) - おい氏橋！ついにやりやがったな...と、友達目線で読んでました。今回のお話はキャラのらしさ全開で読んでて楽しかったです。アインくん不穏でしたが彼ならきっと乗り越えられると願ってます....続き楽しみにしてます。 (2023年3月22日 21時) (
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2023年3月15日 23時
