No.288 ページ19
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「やっほーみんなっ！あたし、忘れられてないよね！？」
華やかなキャミソールにショートパンツ。
首からかかった一眼レフを覗けば、お馴染みの友人たちの顔が見える。
「和葉！たった二週間くらいで大袈裟ね、忘れるわけないじゃない！」
美江が嬉しそうに和葉に笑いかけた。
「なるほど、恵林のメイク中ってわけね。美江ちゃん次あたしにメイクしてー！」
「そしたらアインもあたしのことが…」と夢見る和葉を遮って、「ウオー！また負けたー！」とアインの悲惨な声がした。
「しーくん強すぎ…勝てっこないや！」
「これが経験の差ってやつだね〜」
「どれ、貸してみろ鈴原」と、少し頭を冷やした氏橋が手を差し出す。アインは半信半疑でコントローラーを氏橋に手渡すと、「俺の敵討ちしてくれよな」と行ってソファに沈んだ。
「任せとけ、俺はこのゲームの大会で県内12位だ」
「マジかよ、スゲー！」
「あははっ！」とそこに高笑いが起こる。中村だ。
「アイン、俺は全国4位だよ〜」
「全国！？しーくんスッゲー！！」
「クッソ野郎……ッ！！」と悔しさいっぱいに唇を噛み締め、氏橋がフローリングを拳で殴る。
「あれあれそうちゃん忘れたの？二年前、俺とタッグ組んで大会出たのに、一人負けして敗退してたじゃな〜い。」
「ダァー！言うなー！！今度こそ絶対に勝つ！」
「呆れた、男子って馬鹿みたい。」と、その光景を眺めながら美江が呟いた。
「でも意外〜！しーくんってゲーム上手なんだっ」
和葉はどこからともなく手帳を取りだし、カキカキとメモを残す。
「あいつ、氏橋と桐ヶ谷と三人で色んなゲーム大会出てたのよ。」
「なんだかんだ仲良しなくせに、そのことをだーれも認めないんだから！」と美江が不満げに言ったのを横目に、和葉は少し嬉しくなった。
少し前、桐ヶ谷の病室に出向いたあの夜のこと。
和葉は知っている、中村は桐ヶ谷のことが"好きで好きで堪らない"んだ。
きっとその情報を持っているのは和葉だけ。その事実に口元がにやけて、胸の中がまた甘酸っぱくなった。
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そちゃ(プロフ) - おい氏橋！ついにやりやがったな...と、友達目線で読んでました。今回のお話はキャラのらしさ全開で読んでて楽しかったです。アインくん不穏でしたが彼ならきっと乗り越えられると願ってます....続き楽しみにしてます。 (2023年3月22日 21時) (
レス) @page46 id: 970cecf5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2023年3月15日 23時
