No.171 ページ38
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適当なことを言ってしまったと慌てた恵林に「本当はね、誰かに言いたくてずっとうずうずしてたんだーっ」とぴょんぴよん飛び跳ねる和葉。
「好きな人が出来たら、あたし一人じゃパンクしちゃうくらい気持ちが溢れてくるの！」
「そうなんだ…」と、恵林は不思議そうに答えた。
そういうものなのか。和葉は恵林よりお姉さんのようで、「よく気使ってくれるんだけど、これってやっぱり脈アリってやつなのかな！？」と浮かれている。
「本当は師匠の力を借りたいけど、なんか最近機嫌悪いじゃん？だから、あたしがこれから頑張るってこと、恵林だけでも知っておいて！」
和葉の赤い瞳が夢を見ているかのようにきらきらと輝いた。
「よーっし！早くアインを連れて、しーくんの元へ帰ろう！」
どうやら、和葉は最初から自分の話を聞いて欲しかっただけのようだ。
恵林の内緒話を聞くことなく満足したようで、軽い足取りで教室へと向かう。
そんな和葉の後ろ姿が可愛らしくて、恵林からついつい笑いがこぼれた。
ようやく階段を上り終えた恵林が一歩踏み出したのと同時に、下から小さな話し声が聞こえて振り返る。
耳を済ませてみれば、片方はアインの声で間違いない。しかし、一緒に聞こえる男の声はアインより低く、何やら楽しげに話し込んでいるようで恵林たちの存在には気がついていないようだ。
恵林はどくどく脈打つ心臓に息を殺しながらその場を動けずにいた。
「和葉！」と小声で彼女を呼んでも、ルンルンな彼女に恵林の声は届いていない。
そうこうしているうちに男子二人組は階段を上って、とうとう恵林の前に姿を現した。
「うわあ！」と幽霊を見たかのように声を上げた二人は、暗闇に佇む少女の影が恵林のものだと分かると、「なんだよ！お前か！」とため息をつく。
「恵林、何してるんだよ？」とアインは腕を組んで眉間に皺を寄せた。
「いやー！えっと、そのー…」
口ごもる恵林に、アインの横にいた松葉杖の少年…木下は「ヘンなヤツ」と恵林を迷惑そうに睨んだ。
恵林は一瞬胸がちくっと傷んだが、すぐに「アインは何してるの？」と話を立て直す。
「制服忘れちゃってさ！多分教室だと思うんだけどー…」
幸いにも和葉が持ち出したことには気づいていないようだ。自分の持ち物が途中で無くなったことにも気づかずに、そんなに鈍くて大丈夫かと心配になる。
「アインーっ！」と、そこに元気いっぱいな声が聞こえてきた。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
