No.166 ページ32
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「性格悪いのは元からだし、音楽のことになると尚更ああだから本当は関わりたくないんだよな〜」と中村は恐らく修也の話を続けた。
実の弟に性格が悪いと言われている修也のことを想像して、思わず吹き出してしまった恵林。
それを見て安心したように微笑んだ中村は「やっと笑ってくれた」と恵林の頬をつついた。
「笑ってる方が好きだよ、俺」
中村はそのまま手を彼女の頬に添えると、そっと撫でるようにして涙の痕を拭ってやる。
恵林はくすぐったそうにして、「私もしーくんが笑ってくれて嬉しい」とはにかんだ。
中村の手が止まる。
「…俺、今まで笑ってなかった？」
「うん、なんかぼーっとしてたから。」
「そっか…」と小さく呟いた中村。その時、教室の外から何やら騒がしい足音と声が聞こえてきた。
それは時間も経たずに近くまでやってきて、思いっきり扉が開いたと思ったら「わあっ！」と甲高い歓声が上がった。
そこに居たのは、絢瀬しずくだった。
中村と恵林は密着したまま唖然として硬直する。
それもそのはず、しずくに腕を引かれて姿を現したのは、なんと桐ヶ谷葵だったからだ。
「あ、葵っ！」と恵林は何故か慌てて立ち上がった。
「中村センパイ、恵林センパイとそんな関係だったんですか〜！？」
「お似合いですね〜！！」としずくはパチパチ手を鳴らした。
「は！？」と後ろから絢瀬けいとも現れる。
「ちょ、ちょっと…どうしてここに？」と中村は引きつった笑みを浮かべて入ってきた三人を見比べた。
「帰ろうとしている葵センパイを頑張って引き止めて、ようやくここまで連れてきたんですよー！」
「大変でした！」としずくは額の汗を拭う仕草をして見せる。
「お前こそ何してるんだよ中村センパイ」と絢瀬が唸るが中村は「いや、別に何もしてないよ」と弁解した。
桐ヶ谷は依然として黙っていたが、表情からして不機嫌なのは丸分かりだ。
「でもよかったです！ボク、これで葵センパイに堂々とアピールできちゃいますね！」
しずくはそう言ってくるりと一回転すると、桐ヶ谷の元まで戻りその腕を引く。
「し、しずく、僕も…！」
「うん、分かってるよ！葵センパイはボクらで半分こ！」
絢瀬は顔を明るくして桐ヶ谷の反対の腕をぎゅっと掴んだ。
桐ヶ谷は一瞬顔を顰めたが、大きくため息をついてされるがままになると「何してたの？」と目の前の同級生二人に問いかける。
「ほんと、タイミングバッチリだなあ。」と、中村が皮肉を言って笑った。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
