No.161 ページ26
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ここ最近で、恐らく一番上手くいっただろう。
ピッタリ重なった音が美しく、そして雷のように轟いている。
修也は手を叩きながら「良いね！続けて！僕には恐ろしい巨大な城が見える！」と彼女らの演奏を続行させた。
その一体感に恵林は感動した。
何かが心の奥で躍動する感覚。確かに恵林にも、自分たちの演奏におぞましく城の旗が揺れているのが想像できた。
なるほど、何となく掴めてきた。
「はい止めて〜」との指示に、恵林たちはフルートをおろした。
「どう？楽しい？」と修也は笑う。
悔しいが、楽しい。楽器を吹くことに楽しさを覚えるなんて初めてだ。
「はい！」と恵林の代わりにハナが頷いた。
「だよね〜、演奏するっていうのは、物語を語るのと同じ。一つ一つの曲の場面に、自分の好きな物語をくっつけてみよう！これ、宿題ね。」
ハナとマヤは顔を見合わせて笑っている。
恵林と同じように、二人にも明るく強い気持ちが湧き出てきたのだろう。
メイはどうか？
恵林は気になってメイの方を見た。
相変わらず目線は下を向いていたが、フルートを持ったまま素っ気なく頷いている。
今まで教わったことのないやり方に、少なからず感心していたようだった。
「じゃあ次の場面。
姫が連れ去られたと知って落ち込む王様と騎士…。魔王から姫を取り戻してくれる頼もしい勇者はいないのかと皆落ち込んでいる様子で……」
なんだ、案外上手くやってるじゃないか。
と、恵林は修也を安堵の眼差しで見つめた。
このまま全てめちゃくちゃにされたらどうしようかと心配だったが、やはり彼も一人の大人。
線引きはしっかりしているのかもしれない。
それから時間をかけて、修也は恵林たちに曲全体の指導を行った。
その間、一度もソロパートの練習はせず話にも上がらなかったが、逆にほっとする恵林。終わりがけには、メイもちょこちょこ口を挟むようになってきた。
「じゃあ、あとは頑張ってね〜」
最後の小節を吹き終わったあと、修也はそう言って突然ふらりと姿を消した。
恐らく次のパート練習へと向かったのだろう。
嵐のような数十分だったが、初めと比べてフルートパートの雰囲気も随分明るくなっていた。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
