No.158 ページ22
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嫌な奴のために、どうして力を貸さなきゃならないの？
恵林は苦悩を表情いっぱいに表す。
しかし、対照的に木下はパッと顔を輝かせて「マジか！鈴原ありがとう！」とアインの元へ向かった。
「なんか、ずっと態度悪くてゴメンな。」と、木下が笑った。
「良いって！これからは仲良くしようぜ！」
そして、二人は固い握手を交わしたのだ。
何を言い出すんだ、急に。
恵林はコロっと謝り出した木下に強い怒りを覚えた。
同時に、そんな彼を許してしまうアインにも同じような気持ちになった。
勇気を出した恵林の行動は、ただ一瞬空気を悪くしただけで、何も実らなかったのだ。
「恵林…」と、背後で小さな里奈の声が聞こえた。
里奈は廊下にしゃがみこんだまま膝を抱え、「アインへの依頼だから、恵林が気にすることないよ…」と立ち尽くしたままの恵林を心配する。
恵林はすぐさま振り返って、怯えたような顔で里奈を見た。
「でもアインは晩餐会の…」
メンバーでしょ？
と、言いかけた途中で元気が無くなり、しょぼくれてしまった恵林。そんな彼女を他所に、木下は「説明したいから来てくれ！」とアインを連れて理科室の反対側の扉から出ていってしまった。
取り残された恵林たちが部屋の中に入り、席に着く。
「けいとくんは？」と、どこか遠くを眺めながら恵林が聞くと「桐ヶ谷がいないからって帰っていったぞ。」と氏橋が答えた。
「それにしても調子がいいわね！木下のヤツ。」
美江は窓を開けながら強い口調で言い放ち、先程の一連を思い返して腹を立てる。
木下と言えば、美江や中村、氏橋と同様の緑ヶ崎小学校出身で、昔から中村にちょっかいをかけていた。
木下と中村は何度か大きなトラブルを起こしていたため、もう姿を見せないと思っていたが、まさか依頼をしにくるとは。
よりによって晩餐会に…いや違う、恐らく木下はアインにだけ用があったのだろう。
それは分かっているが、やはり希薄でもいいからアインの活動に関与していたい。
恵林はそう思っていた。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
