No.157 ページ21
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「総体って、木下、三年最後の陸上競技大会じゃないかッ！」
氏橋がそう叫んで無理やり教室に体を押し込めようとしたため、ドミノのようにメンバーたちが廊下に転がった。
「そんな大事な戦いを他人に任せるなんてッ」と気にせずに氏橋は続ける。
卓球部の大会に出させてもらえない思いが溢れかえったのだろう。氏橋は怒ったように「お前の戦いだろ！出れなかったとしても、それがお前の次を創る！」と捲し立てた。
「大事だからこそ鈴原に頼んでるんだ！」と木下は氏橋を制した。
「今年で俺は卒業だ…。だが、俺には何十人と後輩がいるんだ！俺は自分の次に期待するより、そいつらの未来を創ってやらなきゃならない！」
「なぜなら部長だからだっ！」と木下は松葉杖で床板を叩く。
「なのにこの有様だ…。
俺は晩餐会なんて落ちこぼれの集いだと今だって思っている。だが、お前らは対面式で言ってたじゃないか、困ったことがあったら依頼しろって！」
「鈴原は、運動部の助っ人をしてくれるんだろ？」と揺れる眼でアインを見つめる木下。
アインはどうしていいのか分からず、額に汗を浮かべて「だけど、俺は陸上競技なんて体育の授業でしかしたことないし…」と嘆いた。
木下が期待してくれているのはよく伝わるが、それに応えられるかどうかは別問題。
アインは気まずそうに後ろのメンバーの顔を見た。
恵林はアインの眼差しを受け、速まる心臓の鼓動を無視して立ち上がる。
「…だけどあなたは、私たちをずっとバカにしてきたよ」
震える拳をスカートのプリーツで隠して、恵林は木下を睨んだ。
木下が陸上部の部長としてここにいるのと同じように、恵林も晩餐会の主催者として守りたいものがあったのだ。
「なんだよ、晩餐会ってのは人を選ぶのか？
そんな理由で俺を追い返したら、お前らも俺らとやってる事変わんねーんじゃねえの。」
「そんな理由ってなに、少なくとも私たちはあなたに＿＿＿」
「わ、わかった！わかったよ！俺やる！」
恵林と木下はハッとしてアインを見た。
2人の言い合いを彼が遮ったのだ。
「でも、アインはバドミントンの大会もあるでしょ！」と恵林は、どうして彼が木下なんかの依頼を引き受けたのか分からず声を荒らげる。
「そうだけど、頑張ってみるよ。体力には自信あるし、それに…」
アインは恵林を見据え、「晩餐会の初めての依頼、だろ？」と、小さな声で苦笑した。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
