No.156 ページ20
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氏橋が止める前に、なんと美江は盛大に教室の扉を開けて見せたのだ。
「ちょっと、アナタここで何をしているの？
自分が今何処にいるのかよくご存知で？」
「何言ってんだバカー！」と氏橋は頭を抱えて教室の前で身をかがめた。
不敵に笑った強すぎる美江に、「カ、カッケェ…」と和葉がシャッターを切る。
「…宮野か。」
木下は真面目な表情で顔だけ美江に向けた。
美江は教室に入っただけで一歩も彼には近づかず、「そうよ」とまるでどこかの悪役のように彼を睨みつけ、腕を組む。
「鈴原に用があるんだ。会わせてくれないか？」
教室の外で「俺？」と、アインが皆と顔を見合わせた。
美江は当然不審がったが、しばらくして木下に「そこで待ってなさい！」と指示し、踵を返して戻ってきた。
「鈴原くん、アイツに何かしたの？」と美江は小声でアインに迫る。
「するわけないだろ！」とツッコんだアイン。
「それに、俺、木下に避けられてるし…」と言いにくそうに続け、目線を下げた。
去年の体育祭のリレーから、アインは足の速さが理由で木下から嫉妬をかっていた。
突っかかってくることは無くとも、木下はクラス合同の体育の授業や学年のレクリエーションで、アインと対戦相手になることを必ず避けている。
まさかとうとう喧嘩を売りに来たのではないかと恐れるアインに「何かあったら応戦するよ」と、心強いがなんの解決にもならない中村のフォローが入った。
アインは意を決して理科室に入っていく。
その様子を、恵林たちは不安げに見つめた。
「よ、よう！木下…」
アインは最後の方になるにつれて小さくなっていく声で必死に笑顔を浮かべた。
しかし木下はアインを見るなり「鈴原！頼みがあるんだ！」と悲愴な表情で立ち上がった。
その瞬間、恵林たちから「え…」と声が出てしまった。
木下は、＿＿＿松葉杖をついていたのだ。
「お前、その足！」とアインは驚いた様子で目を見開く。木下はゆっくりとアインの元までやってくると、「走ってる時にヘマしたんだ」と言ってズボンの下の包帯に巻かれた右足を見せた。
「骨折。当分走れない。」
「そこでお前に頼みがあって来たんだ。」とため息をついて木下はアインを見据えた。
「数週間後の総体に、俺の代わりに出場して欲しいんだ。」
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
