No.152 ページ15
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一方修也はというと、「親がプロの音楽家ということは中村先生もプロの何かなんですか？」という質問に対して「いやいや、音楽なんか大嫌いだよ！お金になるからこうして呼ばれたら行くだけ〜」と答えたのが中学生にはウケたようで、初めよりかなり馴染んでいた。
それを横目に少し安心しながら、恵林はメイを探しに行った。
まず先に向かった準備室にはマヤがいて、「恵林先輩…」と恵林に気がつき駆け寄ってくる。どうやら同じことを悩んでいるようだ。
「あれ、ハナちゃんは？」と恵林はもう一人の後輩を呼んだ。
「ハナは多分、中村先生の所です。」と答えたマヤに、「あー…」と何か察した恵林。
おそらくあの場の女子の群れに混ざってイケメン兄弟に頬を赤らめているのだろう。
「しーくんも、吹部じゃないのに大変だよね」と、恵林は呟いた。
「それより、メイはどうしたんでしょう…」とマヤは今にも泣きそうな様子で肩を落とす。
見兼ねた恵林は慌てて「大丈夫！一緒に探そう！」とマヤの両肩に手を乗せた。
あと30分ほどで6時になる。
6時になったら部活も終わってしまう。
二人は廊下に出ると、強い西陽に照らされながら無人の教室を一つ一つ見て回った。
「見つかりません…」とマヤはまた俯いた。
最後に下駄箱を覗きに行った二人は、メイの靴が無いことに気がついて顔を見合わせる。
どおりで姿が見当たらないわけだ。メイはもう下校していた。
「さ、先に下駄箱見とけばよかったね！」と、黙ってしまったマヤを笑顔にすべく、恵林は笑って見せた。
マヤは「ですね…」と暗い顔のまま答え、蝉の鳴く昇降口の向こうを眺めた。
二人が音楽室に戻ると、それを待っていたかのようにハナがやってきた。
「メイ、どうでした？」と今更心配しだした様子を見て、恵林は苦笑いを浮かべながら「もう帰ったみたい」と答えた。
相変わらず修也と中村は多くの部員たちに揉みくちゃにされていたが、分からないところを教えてあげているようでまともに先生をしている。
先生と言えば顧問だが、やはり渋い顔で端っこに立っており、散々好き勝手言っている修也に何も苦言を申さないあたりは、やはり同じ音楽の道を進む以上トップクラスの中村家には立て付けないといったところなのだろうか。
恵林は人だかりには一切近づくことなく、フルートを持ってまた音楽室を出ることにした。
やはり練習するならここしかない。と、階段の踊り場に譜面台を置く。吹き抜ける風が心地よい。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» ゎゎゎ…いっぱい書いていただいてありがとうございます！伏線回収にそろそろ走りますよー！！！！！お楽しみに… (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 投稿お疲れ様です！！！中村家激推し回でしたね()個人的に和葉ちゃんの天然可愛さが尊すぎて最高でした.....!!!桐ヶ谷くんの話とかえりんの話とかしーくんの話も気になることが増えて次巻がとっても楽しみです🎶 (2022年2月13日 0時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2022年2月10日 8時
