No.21 ページ26
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「ダンボールごと持ってこうか。」
しーくんは理科室に入ってそう言うと、壁際においてある小道具を詰め込んだ大きなダンボールを抱える。
カーテンが閉まっていて、薄暗い。
理科室のカーテンは遮光性だから、本当に暗くなってしまうのだ。
「私も持つよ！」
私はしーくんが軽々と持ち上げたダンボールの端を持つ。
中身は対して重いものは入っていないけど、ちょっと大きすぎて一人だと落としてしまいそうだ。
しーくんが来てくれてよかった。
「恵林」
ダンボールに手をかけると同時にしーくんが私の名前を呼んだ。
「兄と、何の話をした？」
暗闇でしーくんの緑色の瞳が揺れている。
風もなければ光もない、そんな暗闇で足を止める。
金曜日の話だろうか、美江と一緒にお兄さんの指導を受けた夜のこと。
最後までしーくんがリビングに来ることはなかったけれど、気になっていたのかもしれない。
「そういえば、しーくんの彼女に間違えられた」と、私は思い出し笑いをこぼした。
「ていうかさ！昔美江と付き合ってたんだって！？
なんかすごいなあ、私なんて子供だからそんな大人っぽい関係を持ったこともないや！」
だってそうだよね、しーくんは俗にいうイケメンだし、美江もクラスではマドンナなんて言われてるんだから。
お似合いといえばお似合いだよな。
「だけど、どうして別れたの？
...あっ、聞いてよかったかなこれ」
しーくんは私のデリカシー皆無な質問に ふふ、と笑うと「そうだなあ〜」なんて少し上を見上げた。
「方向性の違い？かな」
「ほ、ほうこうせい…！？」
当時幼稚園生だよね！？なんて子供なんだ…
「さ、早く行こう。もうみんな体育館に向かったんじゃないかな？」
よく耳をすませば、遠くの方で足音のようなものが聞こえる。
全校生徒が体育館に向かっているのだ。
私たちは息を合わせて歩き出した。
しーくんが後ろ歩きで進まなきゃ行けなくなってしまって申し訳ない。
私がしっかり前を見ていなきゃ。
理科室から出て、ゆっくり廊下を進んでいく。
とうとう体育館に差し掛かった時、もう中で何か話声が聞こえてきた。
そうちゃんの声だ。
会が始まってしまったみたい！
「急ごう！」
「うん」としーくんが頷く。
体育館に向かうには外のすのこを使わなきゃ行けない。
校舎からちょっと離れているのだ。
段差が怖いがなんとか外に出た。
すのこがカタカタいっている。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
