No.19 ページ23
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車の中で、私はしーくんと美江が幼稚園時代に付き合っていた話をお兄さんから聞いていた。
けど、ほとんど内容が頭に入ってこない。
それもそのはず、びっくりするくらい車内がガタガタ揺れるのだ。
かれこれもう3度はクラクションの音を聞いたような気がする。
話に相槌を打つ余裕なんてなく、私と美江は後部座席で右へ左へギャーギャー言いながら転がっていた。
美江の家はしーくんの家のそばにたったからすぐにバイバイになっちゃったけど、アクセルを踏めばお兄さんは後ろで私が叫んでるのが聞こえてないかのように普通な顔をしてまた話を再開するのだ。
そして、私の家であるマンションの前に着いた頃には、もう私のHPは0に限りなく近いところまですり減っていた。
｢あ、ありがとうございました…｣
｢またね、おやすみ〜｣
お兄さん、タフだなあ。
一般道路を豪快なスピードで駆け抜けていく白い車を見送って、私はエントランスへ入った。
少し肌寒い。
階段を登って2階までくると、自宅のポケットから鍵を取り出す。
｢ただいま！｣
私に反応して、開いた玄関にあかりが灯った。
けれど、奥へ続く廊下の先は段々暗くなっていく。
お母さんはまだ帰っていないようだった。
私は自室にリュックサックと制服を投げ出して、下着のまま洗面所まできた。
手を洗いながらぼんやり考える。
そういえば、以前しーくんがうちに来た時に好きな食べ物の話をしたな。
私と同じハンバーグが好きで、昔よくお兄さんとハンバーグを作っていたって。
しーくんはきっと、お兄さんのことが嫌いなわけじゃないのだろう。
でも、私から見たら遠ざけてるようにも見える。
仕方ないのかな、お父さんお母さんがいない分、お兄さんにしかそういう一面を見せられないのかも。
しーくんが頑張って笑ってるように、お兄さんも頑張って笑ってたり…するのかな。
でもちょっと羨ましかった。
しーくんは、そういうことを言っていいような人ではなかったから言わなかったけど、私は一人っ子だから兄弟が欲しいなってよく思うし。
私にはお母さんがいるけど、今もこの通り1人だ。
だとしたら、私としーくんは、一体どちらの方が恵まれているのだろうかって、よく考えることがあった。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
