No.18 ページ22
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｢車で送ってくよぉ〜｣とお兄さんはポケットから取り出した鍵をクルクルと回して遊ぶ。
｢ありがとうございます！｣
私は美江と一緒に急いで楽器をしまうと、リュックサックに諸々を押し込んで玄関までやって来た。
｢あっ、そういえばしーくん…｣
結局最後までリビングには戻ってこなかったのだ。
あと、例の女の人の姿も確認できなかった。
本当にいたのかな。
｢紫苑のやつ、元カノちゃんと今カノちゃんに挟まれて恥ずかしくなっちゃったんじゃな〜い？｣
後から薄い上着を羽織ってやってきたお兄さんがふざけて笑った。
それに対して、美江が｢えっと…｣と苦笑いを零す。
今カノって、私の事？
｢恵林と中村は付き合ってないですよ！｣
んん？
私は美江の言葉に再度首を傾げた。
今カノは私と勘違いしてたとして……
つまり、それって＿＿＿…
｢え！？美江ってしーくんの元カノなの！？｣
｢え、紫苑まだ恵林ちゃんのこと落としてなかったの？｣
息ぴったり。
同時にそんなことを言い合って、私とお兄さんは美江の方へ振り返った。
ブンブンと首を縦に振る美江を見て、『 え？？』と、今度はお互いの顔を確認する私とお兄さん。
｢恵林ちゃん、知らなかったの？
紫苑と美江ちゃんの話｣
｢初耳ですよ！！｣
するといきなり、真っ赤になった顔を隠すようにして｢もういいから帰りましょ！｣と美江は玄関から飛び出していった。
その反応はまさか、本当に付き合っていたんだ。
がちゃんと乱暴に扉が閉まる。
私は美江を追いかけようと靴を履くためにしゃがんだ。
｢＿＿＿え〜っと、恵林ちゃん？｣
ふと、お兄さんが私を呼んだ。
玄関は冷たく、そして私たち以外に誰もいない静けさが妙に重たい。
｢紫苑からリボン、貰った？｣
それからお兄さんは突然、私にそんなことを聞いてきたのだ。
｢…え？はい！私が落としたやつですよね！
しーくんが持っててくれたみたいで返してくれました！｣
私は立ち上がって振り返る。
けれど、私が思い浮かべていた柔らかな笑顔はそこにはなく、代わりになんだか寂しげな顔をしたお兄さんがぽつんと立っていた。
｢そうなんだ｣
しかしまた、お兄さんは子供のような笑顔で笑った。
そして先程までのあっけらかんとした足取りに戻ると｢さ、帰ろ〜う｣と玄関の扉を大きく開ける。
｢はい！｣
今の質問はなんだったのか不思議に思いながら、私はその背中を追ってしーくんの家を後にした。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
