No.15 ページ19
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「…あ〜、いるね」
しーくんは自分の家の鍵穴に鍵を差し込んでそう言った。
どうやらお兄さんは帰宅しているようだ。
でもどの窓からも明かりが見えないし、なんだかしんとしていて静かだ。
「すごい、なんで分かるの？」
「兄貴は下の鍵しか閉めないんだ」
私と美江はしーくんの背後から彼の手元を覗き見る。
確かにしーくんの持つ鍵は、ドアノブに着いた上下ふたつの鍵穴の下の方に刺さっていた。
鍵は右回転し、カチャッと音を鳴らす。
しーくんはほんの少しだけ扉を開けて中を確認すると「どうぞ〜」と言って私たちを玄関に入れてくれた。
やっぱり家の中も静かで、人がいる気配はない。
けれど玄関には吐き潰されたスニーカーと小柄なサンダルが並んでいた。
このサンダルが例の女の人の物だろうか。
高そうだけど、かかとがすり減っている。
「ちょっと、ほんとにいるの？」
美江は小声でしーくんを小突いた。
「多分2階にいるんだ。呼びに行ったら女の人もいるだろうしな〜。ここから呼ぶしかないな。」
「あら、私が呼んで来てもいいわよ？」
あっけらかんとした美江に「それは絶対にだめだよ」としーくんも小声でそう言って携帯をポケットから取り出した。
あ！和葉だけでなくしーくんまで校則違反を……！！
「なんでダメなのよ！」
「上で何してるのか分かったもんじゃないからね。
……あ、もしもし？」
どうやらお兄さんに電話をかけたようだ。
「下にいるんだけどさ」と、しーくんが私たちの話をしてくれると、まもなくドンドンと階段を降ってくる足音が聞こえてきた。
どうやら、本当に家にいたようだ。
「いや〜ごめんねお待たせ〜、僕に用があるんだって？」
とうとうしーくんのお兄さんが現れた。
しーくんとそっくりな色をした前髪を、かわいい蛍光グリーンのアメピンで留めているのがよく目立っている。
「初めて見る組み合わせだね〜不思議〜〜」
お兄さんは私と美江をまじまじと観察してふにゃふにゃな表情で微笑んだ。
私にはお兄さんの方が不思議でしょうがない。
それから私たちはおうちに上がらせてもらい、リビングまで案内されてソファに座らせてもらった。
しーくんの言ってた女の人は降りてこない。
「恵林ちゃん久しぶりだねぇ。前回会ったのは11ヶ月と3週間前くらいかな？」
怖！！なんでそんなこと覚えてるの！？
確かに前回はしーくんを晩餐会メンバーに入れようとした時だからそれくらいだけども！
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
