ふたりぼっち2 ページ2
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「どう？どうせ暇でしょ？おいでよ。」
男は笑顔を絶やさない。
それどころか、「さっきアイスを買ったんだ〜。一緒に食べない？」と片手にぶら下げていたビニール袋から溶けかけのアイスキャンディーを取り出すと、ブランコに座ってパッケージを破りだした。
美味しい、と感想を述べた男を奇妙に思いながら、訝しげに少女は男の元へと戻ってくる。
そんな彼女に「飴ちゃんもあるよ〜」なんて言ってポケットからチュッパチャップスを数本出現させる男。
少女は呆れながらブドウ味のそれを受け取り、「お兄さんはここに来る前に何をしてたんですか？」と笑いかけた。
「バイトだよ、ゲームセンター！楽しいよ〜。」
なるほど、と少女は思った。
ゲームセンターの帰りであれば、こんな時間に出歩いているのも納得出来る。
が、子供もいるのにそんなバイトで一体どう暮らしているのだろうか。ましてや現在進行形で家の住民をもう一人増やそうとしているのだ。
少女はやはりどこかおかしく思いながらも、この状況が既におかしいのだと答えを出して、彼を詮索しなかった。
「なぜボクに声をかけたんです？」と、隣のブランコに腰掛け、少女は代わりにそんな質問をした。
「え〜」と男はケラケラ笑い、アイスを頬張りながら楽しげに体を揺らす。
彼のすり減った靴の踵が地面に何度も掠った。
「なんだろう、興味本位？」
本人もよく分かってなさそうな口ぶりで呟きながら、ぼんやり月を眺める男。少女は横目でそれを見つめる。
適当な返事に聞こえなくもないが、どうやら本当に気まぐれで声をかけたようだ。
「そうですか。」
少女は男からもらった飴を口に含んだ。
甘い。
「じゃあ、連れて行ってください。」
ぽつりと放った一言。
少女は口から出した飴を眺めながら今、自分が何を言ったのか思い返してハッとした。
「＿＿＿＿良いよ」
少女が自分の発した言葉の良し悪しを決める前に、男は少女に二つ返事で頷いた。
でもまあ、別にいい。
少女は立ち上がった男の後ろをついて行き、今度こそ公園から出て行った。
男の腕に自分の腕を絡めた少女は、あざとく笑って彼を見上げる。
少女には男が、まるで自分を迎えに来た王子様のように見えていた。
「お兄さんっ！ボク“しずく”っていうんですけど、お兄さんはなんていうんですかー？」
奇妙な二人は、暗い住宅街を進む。
そして、不気味なほどの静寂の中に姿を消した。
＿＿＿＿＿＿公園でブランコが揺れている。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
