ふたりぼっち ページ1
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「＿＿＿そこで何してるの？」
ひと気のない住宅街の公園の中。
ブランコに寂しく腰掛けていた少女に声をかけたのは、彼女とは対照的ににこにこと胡散臭さが拭いきれない笑みをした男だった。
「...月を見ていただけですよ、とても綺麗だったので！」
今まで俯いていた少女は顔を上げ、男と同様に口角をにゅっと横へのばす。
全く月なんて見ていなかったというのに、雑な嘘とその笑顔がまた、このような状況に手馴れているように見えた。
少女にあしらわれていると気づいていながら、「本当にね〜」と男は深く暗い夜空を見上げた。
もうすぐ上弦になるであろう三日月がぽっかりと浮かんでいたが、すぐ横の街灯の眩しさが邪魔をしている。
少女はギコギコとブランコを揺らしながら勢いよく地面に着地した。
「それでは、また！」
カツカツと少女のサンダルがアスファルトを蹴った。
振り向き際にも笑顔を忘れない。
なんだか随分愛想の良い少女だったが、やはり男を鬱陶しがって逃げていくように公園から出て行った。
揺れるブランコを片手で止めながら、「どこに行くのかな？」と男は少女の背中に軽快な声色の問いかけを投げた。
少女の足が止まる。
「今何時だと思う？真夜中の2時半だよ〜」
少女に答えさせる気は無いようで、男は間髪入れずに現在の時刻を教えた。
公園には背の高い時計台がある。秒針が無機質に揺れ、男と少女の間の沈黙に水を差した。
「それがどうかしましたか？」
少女は振り返って満面の笑みを見せてくれた。
「手ぶらで、薄着で、一人だったから。てっきり“家出”でもしたのかなって。」
男はその場から一歩も動かずに答える。
その男の持つ特有の雰囲気が、なんだか妙に気味悪かった。
「...変な人ですね、せっかくなのでこのままボクのこと襲っちゃいます？」
少女は男を馬鹿にするように言う。
不審者なら誘拐しても良い頃合いだというのに、この男はてんで動かないのだ。
「行く宛が無いなら、ウチにおいでよ。」
ほら見ろ、乗ってきたぞ。
少女はそう思ってまた笑った。
「ま、僕はほとんど家にいないから好きにできると思うし。
その代わり、十四歳の子供もいるけど。」
「は？」と、ついに少女は本来の態度で声を上げてしまった。その反応を面白がってクスクスと笑う男。
少女はそれを腹立たしげに睨む。
「子供がいるのに女の子を連れ込むなんて、なかなかのクズですね！」
「やだな〜」と男は照れ臭そうに目を細めた。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
