No.184 ページ26
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くそ。
「y＝−5x＋8」
「す、すごいね…桐ヶ谷くん」
「いえ。」
くそ。
くそ、クソ！
「144cm²です。」
「正解！いやぁほんとに君何者！？」
ボキッと音を立ててシャーペンの芯が粉々になる。
計算が追いつかない。
氏橋は歯を食いしばって黒板を睨む。
なぜ？なぜだ？なぜその答えになる？？
「うちの塾入りなよ！」
「いえ、もう入ってるので。」
「じゃあなんで来たの！」
塾長はケラケラ笑って桐ヶ谷の肩を叩いた。
そうだ、本当にその通りだ。
何故桐ヶ谷はここに来たんだ。
まさか自分に追い打ちでも掛けに来たのか？
「それじゃあ、今日はもう時間だね！
みんな気をつけて帰ってね」
早く帰ろう。
氏橋はさっさとリュックに教材を詰めて、
俯きながら教室を出ようと立ち上がった。
「氏橋」
しかし、後ろから声を掛けられて立ち止まる。
桐ヶ谷だ。
「…桐ヶ谷、体験、来てくれたんだな。」
氏橋は振り返らずにそう言った。
「…うん。あのさ」
「それじゃあ俺はもう帰る。
お前も気をつけて帰れよ」
桐ヶ谷が何か声をかけようとしたのはわかった。
だが、それを聞き入れるほどの心の器を生憎今の氏橋は持ち合わせていない。
それを遮って、再び歩き出そうとすると
後ろから桐ヶ谷を呼び込む塾長の声が聞こえた。
実に不快だ。
氏橋は塾を出て夜道を進む。
九時前だ。早く家に帰って明日に備えなければ。
こんなこと忘れて、何もかも忘れて、
明日のことだけを考えなければ。
「＿＿＿＿＿＿氏橋！」
明日に、備えなければ。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぴえんさん» あはばばばありがとうございますありがとうありがとう……嬉しいですこれからどんどん成長していくのでぜひ次回作も読んでくださるとはっぴーです！！() (2020年11月4日 20時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 一次小説って初めてみたんですけど語彙力すごいしやばいです！！尊敬します (2020年11月4日 19時) (レス) id: 0149edd4b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2019年9月12日 16時
