No.181 ページ22
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葵は再度私を見上げた。
「……別に。」
そう言って下を向き、お茶碗を持ってスプーンを入れる。
「…案外いけるよ。」
「あ、そうなんだ…あはは」
難しい顔をしている。
きっと今のは話を逸らしたんだろう。
葵って結構わかりやすいな。
「ちょっと桐ヶ谷！
どうすんのよ！そのご飯も、氏橋も！」
隣で美江が声を上げるが、葵は無表情で口を動かした
「宮野さんってほんと氏橋が好きだね。」
「ちうがわよ、あの調子じゃあ3年生に負けちゃうじゃない。
本番前にしっかり仲直りしなさいよね？」
「……宮野さん、これ食べてくれない？」
「絶対嫌よ。」
やっぱり美味しくないんじゃないか。
びちょびちょ白ご飯は変な匂いを放って
美江に押し付けられたが、美江はそっくりそのまま
葵に返して自分の元にある本来あるべき姿をした白米に箸を進めた。
「自業自得ね。」
葵は眉を寄せてお茶碗の中を睨んだが、
観念してスプーンを再度手に持った。
渋い顔をしてそれを口に運ぶ葵。
頑張れとしか言いようがない。
ちらりとそうちゃんの方を見てみたが
珍しくしーくんが別の人(女子)と絡んでいるようで
孤立してしまっている。
あっちはすごく落ち込んでいる顔をしていた。
そりゃあ、仲間にあんな酷なことをきっぱり言われたら誰だって落ち込むだろう。
葵はなんであんなことを普通に言っちゃったんだろうか。
言い終わってから悩むなんて、
何か別に伝えたい本当の意味があったのかもしれない。
このままじゃダメなのは、私が一番よく知っている。
だって、私も伝えたいことを伝えられずに離れ離れになってしまった友人がいたからだ。
「葵！」
「……だから何。」
「ちゃんと伝えなきゃダメだよ！」
「…何を」
「自分の伝えたいこと。
言いそびれちゃったなら、絶対伝えなきゃだめ！」
葵には私と同じ思いをして欲しくないし、このまま体育祭を迎えるなんて嫌だ。
だけど葵は、そんな私のことも知らずに、こちらを見上げて深々とため息をついた。
な、なんだよ！いいこと教えてやってるのに、失礼なやつだまったく！
「君は本当に能天気だね」
「なんでだよ！」
「じゃあ、これ食べて」
そう言って葵はお茶碗を差し出してきた。
ふむふむ、なるほどな。
葵は私にそのビックリご飯を食べて欲しいと伝えたかったのか！
なら仕方が.....
「＿＿＿って、そういう意味で言ったんじゃないからー！！！」
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぴえんさん» あはばばばありがとうございますありがとうありがとう……嬉しいですこれからどんどん成長していくのでぜひ次回作も読んでくださるとはっぴーです！！() (2020年11月4日 20時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 一次小説って初めてみたんですけど語彙力すごいしやばいです！！尊敬します (2020年11月4日 19時) (レス) id: 0149edd4b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2019年9月12日 16時
