No.177 ページ17
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「あっそうだ！あたし今日これから
約束あるんだった！」
「え！？」
それだけではない。
和葉は突然そう言い出すと、
「じゃーね！」なんて嵐のようなスピードで窓から飛び出して行ってしまったのだ。
いきなりすぎて頭が追いつかない。
本当にどうしたんだ！？
「恋多き乙女ってやつだね。」
「……え？なに、どゆこと？」
「畑中さんにはどうせ分からないよ。」
「は！？」
葵が含みのある言い方で意味深なことを言うが
なんだか失礼なこと言われたきがする！
けれど彼は相変わらずのすまし顔で
2本目のポッキーに手を伸ばそうとしていた。
そして続けてこう言うのだ。
「三城さん、あれだよね。
中村に落とされかけてる。」
「え！そうだったのか！」
葵の言葉にアインが反応した。
2人してポッキーを咥えながら顔を見合わせる。
私には、葵が何を言わんとしているのかよく理解することができなかった。
「え、しーくんが和葉のこと好きってこと？」
「さぁね。」
ううん？？わからない。
その手の話題はとても苦手だ。
落とすってあれだろ？
和葉を恋に落とすってことだろ？
しーくんが和葉のことを好きじゃないなら
しーくんは好きでもない人の好意が欲しいということになるし...
「だから言ったじゃない。
君には理解できないよ」
葵はメガネの奥の冷ややかな眼差しを
なびくカーテンに送る。
言い返せなくて、私も同じようにそちらへ視線を移した。
「待って人がいる！」
私が叫んだ刹那、アインがサッと懐中電灯の灯りを消して机の下に隠れた。
「何してんだ！里奈達も早く隠れろ！」
それに続いて、私たちは理科室の長机の下に固まって息を潜める。
でもこれじゃあ外の様子がわからない。
「鈴原」
「なんだよ」
葵が小声でアインを呼んだ。
「小さいんだから、窓の方まで移動して外確認してきてよ。」
「はあ！？小さくねーし！！」
文句を言いながらも、アインは窓の方へ移動し始める。
「どう？」
私はかがんだままのアインに聞いた。
彼はひっそりとカーテンを捲って外を見る。
和葉が出ていった時に、窓を開けっ放しにしたのがいけなかったのだ。
「まだいる＿＿＿やべっ！」
カーテンから手を離して焦ったようにアインが床を這って戻ってきた。
「こっち来てるぞ！」
「えっやばくね！？」
「みんな…っ！しーっ……！」
里奈に制されて、私は口を手で覆う。
そして、ダンゴムシのように丸くなって息を殺した。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぴえんさん» あはばばばありがとうございますありがとうありがとう……嬉しいですこれからどんどん成長していくのでぜひ次回作も読んでくださるとはっぴーです！！() (2020年11月4日 20時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 一次小説って初めてみたんですけど語彙力すごいしやばいです！！尊敬します (2020年11月4日 19時) (レス) id: 0149edd4b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2019年9月12日 16時
