No.176 ページ16
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放課後、晩餐会にて。
「あのねーあれはね！
他クラスの陸上部員が、桐ヶ谷くんの計算能力とか諸々を知って対抗しようとしてるだけだよ！
なかでも、3年生の先輩が桐ヶ谷くんに何かあるらしいけど…」
和葉がビオレッタを弄りながらそう言った。
さすが情報屋ってところか。
そんなことも知ってるんだ。
「そうちゃんには言ったの？」
「何を？」
「挑戦状のこと。」
私が葵にそう聞いてみると、
彼は首を手で擦りながら瞬きをして答えてくれた。
「いや、面倒だし言ってないけど。」
まあたしかに、中二病のそうちゃんである。
「挑戦状」なんて単語を聞きつけた日には
舞い上がってうるさくなるだろう。
アインや里奈もそれを察したのか
「あー…」と苦笑いを浮かべて葵の話を聞いていた。
本日の晩餐会には、美江としーくんは来ていなかった。
二人とも用事があるらしい。
私たちは懐中電灯を真ん中の机に立たせ
その光を囲って話をしていた。
「挑戦状って、何を競うつもりなんだろうな」
アインがポッキーの袋を開けながら言う。
私は和葉に視線を送ったが、彼女はふるふると
首を振った。
さすがに、そこまでは知らないみたいだ。
「面倒な予感しかしないけどね」
葵は珍しくアインからポッキーを一本奪って
口に運ぶ。
「でもでも！足の速さならアインもいるし！」
和葉は笑ってそう言ったが、対照的にアインは苦笑いで
「さすがに陸上部には負ける」と呟いた。
「う、氏橋くんも桐ヶ谷くんに教わってからすごく足が速くなったと思うし
アインも、もっと速くなるかもしれないよ…！」
アインの横で里奈は恥ずかしそうに顔を赤らめる。
彼女なりの精一杯の応援なのだろう。
なんて初々しいんだ。
「早く付き合えばいいのに。」
「は、はあ！？」
そして、相変わらず葵は彼らの関係を続き出す。
あー。アインも顔真っ赤だなぁ。
この流れは和葉がつまらなくなっちゃうやつだ。
「和葉がヤキモチ焼くからやめろ〜」
私は軽いノリでそう言いながら
ちらりと和葉の方を拝見した。
が。
「え？なんでなんでっ！？楽しそうでいいじゃん！」
いつものようにプクリと膨れる頬が見当たらない。なんだか明るい表情であった。
無理してるわけでも…なさそうだし。
「え、和葉どうしたの？」
「うん？何が？」
「え、いや、なんでもないです」
おかしい、なんか変だ！和葉が嫉妬しない！
いつもなら「ちょっとやめてよ！」
なんて言ってるだろうに。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぴえんさん» あはばばばありがとうございますありがとうありがとう……嬉しいですこれからどんどん成長していくのでぜひ次回作も読んでくださるとはっぴーです！！() (2020年11月4日 20時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 一次小説って初めてみたんですけど語彙力すごいしやばいです！！尊敬します (2020年11月4日 19時) (レス) id: 0149edd4b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2019年9月12日 16時
