紙切れ ページ1
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No side
「……クソ。」
歓喜や嘆きが飛び交う教室の片隅で、
一人の少年が自席に着く。
彼が浮かない顔をする原因は、今配られたばかりの薄い用紙の端に綴られた「学年2位」の四文字だ。
「そうちゃ〜ん、どうだった？」
そんな不機嫌な彼とは対照的な笑顔で、後ろの席に座る少年がにこやかに遠慮なく彼のテストの答案を覗こうとした。
「やめろ」
氏橋はそう言って、後ろから身を乗り出して自分の答案を覗き込もうとする中村を
らしくない いい加減な態度であしらうと
例の用紙を隠すようにして、すぐに机の中へとしまってしまった。
「その反応はあれだね。
また葵が1番だったのかな？」
中村はクスクスと笑って氏橋を煽るように
彼の丸まった背中をつつく。
「…うるさい。お前はどうなんだ」
「え、俺〜？10番くらいかな〜」
「そうか」
氏橋は興味もなさげに空返事をして、
目線をお目当ての桐ヶ谷の方に向けた。
彼の隣で、畑中恵林が「え、葵、え？」と
目が点になる勢いで彼の持つ答案用紙を二度見し何かに驚いていたが、そんな彼女に当の本人はすました顔で「うるさいよ」とだけ返し、
淡々とそれを小さく折りたたんでファイルの中へと入れた。
ああ、腹が立つ。
ああいうのが嫌なのだ。
本当に。
氏橋は、教室にいるのも嫌になって
我慢出来ずに立ち上がって廊下に出る。
静かな一本通路である廊下の先で
窓から差し込む西日が掲示板を照らした。
「いつになったら、俺はあいつを越せるんだ」
氏橋はそれぼうっとを眺めながら
独り言を呟いて、下唇を噛み締めた。
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「……あ〜あ。ありゃかなり落ち込んじゃってるなぁ」
その様子を薄笑みを浮かべて見つめていた中村は
自分の名前と「学年120位」という文字が
記載された用紙をクシャりと丸めて、
ほかのゴミと一緒にポケットに突っ込んだ。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぴえんさん» あはばばばありがとうございますありがとうありがとう……嬉しいですこれからどんどん成長していくのでぜひ次回作も読んでくださるとはっぴーです！！() (2020年11月4日 20時) (
レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 一次小説って初めてみたんですけど語彙力すごいしやばいです！！尊敬します (2020年11月4日 19時) (レス) id: 0149edd4b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2019年9月12日 16時
