192話 たった一人の父さん ページ45
ｳﾙﾋﾞﾀﾞ「ふざけるな……！！」
座り込んでいたウルビダが立ち上がり
ｳﾙﾋﾞﾀﾞ「これほど、愛し尽くしてきた私たちを！よりによってあなたが否定するな！！｣
怒りに満ちたウルビダが父さんに向かってボールを蹴る
瞳子「お父さん！！」
A「っ……！！」
私は父さんとボールの間に入り込み、衝撃に備え目を閉じる
ﾊﾞﾝ!!
当たった音がするのに私には痛みが全くない
目を開けてみてみると……
A「！？え……グラン……！」
私と父さんを庇うようにして立っているグラン……
全員、驚きを隠せない
ｸﾞﾗﾝ「ぐっ……」
ﾄﾞｻｯ
グランが崩れ落ちる
A「グラン！！」
円堂「ヒロト！！」
私と円堂くんはグランに駆け寄る
A「グラン！大丈夫！？」
円堂「ヒロト！！」
ｸﾞﾗﾝ「スカイ……円堂くん……うっ……！」
ｳﾙﾋﾞﾀﾞ「何故だ、グラン……スカイ…………
何故、庇った！！そいつは私たちの存在を否定したんだぞ！そいつを信じて戦ってきた私たちの存在を！私たちは全てをかけて戦ってきたきた！ただ、強くなるために…………それを今更間違っていた！？そんな事が許されるのか！グラン！スカイ！！」
グランはヨロヨロと立ち上がる
ｸﾞﾗﾝ「確かに……確かにウルビダの言う通りかもしれない…………」
A「ウルビダの気持ちも分かるよ……でもね…………それ以前にこの人は」
ｸﾞﾗﾝ･貴「「私/オレの大事な父さんなんだよ！！/なんだ！！」」
私とグランは叫ぶ
星二郎「！！」
ｸﾞﾗﾝ「もちろん、本当の父さんじゃない事は分かっている……"ヒロト"って名前がずっと前に死んだ父さんの本当の息子だってことも……」
鬼道「本当の息子！？」
瞳子「えぇ……」
ｸﾞﾗﾝ「うっ……！」
倒れそうになるグランを私と円堂くんで支える
ｸﾞﾗﾝ「それでも構わなかった……父さんがオレに本当のヒロトの姿を重ね合わせるだけでも……！！
父さんが施設に来る日が楽しみでしょうがなかった」
A「私も父さんが来るのをいつも楽しみに待ってた！父さんが喜ぶ顔を見てるだけで嬉しかった！幸せだった！！」
ｸﾞﾗﾝ「例え、存在を否定されようと…………父さんがもう、オレ達の事を必要としなくなっても…………それでも父さんは」
ｸﾞﾗﾝ･貴「「オレ/私には"たった一人の父さん"さんだなん！/なんだよ！」」
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作者名：桜舞姫 | 作成日時：2016年8月21日 19時
