62話 親 ページ14
垣田「えぇ……木暮、というのですが、それが困った奴でして……周りはすべて敵だと思っているというか………」
A「敵……？」
垣田「えぇ……それで私たちも、練習させるより、まずは精神を鍛え直すことから始めた方が良いのではと、一から修行させているのですが…………
いくら説明しても木暮は自分だけがいじめられていると決めつけて……あいつにとっては仕返しのつもりなのでしょう…………」
彼らも何度も木暮くんからイタズラをされたらしい…………
一之瀬「あはは……」
土門「かなり性格歪んでんな……^^;」
目金「同じサッカーをする者として恥ずかしい限りですね……あ、壁山くん、もう少し右です｣
目金くんはさっきから壁山くんに肩を揉んでもらってる……
秋「……でも、どうしてそんなに皆のことが信じられないのかな」
垣田「…………木暮は小さい頃……親に裏切られたようで……」
下を向いて話し始めた
A「！？」
春奈「えっ！……親に?」
鬼道「……！」
垣田「えぇ……それ以来、人を信じることができなくなったみたいなんです」
その言葉に顔を歪ませる春奈……
そして、その様子にいち早く気づいた鬼道くん……
A「…………親なんて結局、そんなもんだよ｣
口に出さないはずが、出てしまった……
塔子「は？」
皆が私の方へと視線を向ける
A「必要なだけ使われる…………どれだけ親を信じても結局は裏切られて捨てられる…………親ってそんなもんなんだよ……」
円堂「そんなことない！母ちゃんや父ちゃんはオレ達の事を大切に育ててくれる！オレ達のことを一番に考え「誰もが……！」！！」
A「誰もがそんな親を持ってるとは限らないんだよ……」
円堂「あ！おい！A！！」
私はみんなに背を向けて歩き出した
これ以上、この場にいたくなかったから……
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作者名：桜舞姫 | 作成日時：2016年8月15日 21時
