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何かに追い詰められたように酷く様子が変に感じた。
何度、突き放されようと
何度、嫌いと言われようとしても
あの子を見放すことが出来ない自分が居た。
“ 同じじゃない “
確かにそうかもしれない。
お互い失くしたものは大きくその代償も重い。
僕の理由と比べればAさんはもっと残酷なのだから。
でも、もしもお互い負った傷を埋め合うことが出来たら?
また、背中を追い掛けてその手を掴む。
怒鳴られ、抵抗されることは目に見えていた筈なのに今回は違った。
「 僕にもその気持ちを聞かせてよAさん 」
急いで冷静に呼吸整え、前を向く彼女にそういった。
ほんの少しだけ、掴んだAの手が熱く感じた。
きっと、また、追い掛けてきて怒っているのに違いないと。
別の形で話したかったが何も思い付く事が出来ずに結局、無理矢理になってしまう。
でも、それでもいい。
「 Aさん .. ?」
もう一度、その名を呼ぶとゆっくりと此方を振り向く。
『 っ、』
「 .. !! 」
彼女は泣いていた。
先程とは変わり、涙がAの頬を濡らしていた。
初めて見た時は僕に対していつも怒っている様子を見せていたり、時には冷静な顔をしていたのに。
まるで普通の女の子みたいに泣いている。
その理由も分からないまま、黙って彼女は涙を流し続けた。
『 ごめん、なさい .. 』
小さな声で呟くと足元をふらつかせ、倒れそうになるAさんを急いで体で支えた。
大丈夫?と声を掛けたが返事はない。その代わりに苦しそうに呼吸をするのが聞こえた。
そっと額に手を当てると熱いことに気づく。
どうしよう、もし、このまま死んだらと焦る。
急いでAさんの体を抱きかかえて、行く宛てもなくただ必死に走った。
この状況の中でAさんを救えるのは。
「 誰か!!Aさんが .. !!!!」
僕だけじゃない、他の仲間なら。
教室に入ってきてみんな、苦しそうにぐったりするAを抱きかかえる僕を見て目を丸くしていた。
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ナミ - コメント失礼します!すごく面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください(^^) (2023年3月21日 17時) (レス) @page13 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿です - 面白いです!更新待ってます! (2022年4月9日 20時) (レス) @page11 id: ae233b0539 (このIDを非表示/違反報告)
天乃(プロフ) - はじめまして!とても面白くて読みやすくて最高です(TT)更新待ってます☺️ (2022年4月7日 0時) (レス) id: 0d8f1d3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(´・_・`) | 作成日時:2022年4月1日 20時