私は乙骨憂太が大っ嫌い。

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寂しくないよ、だから悲しくもない。

だって、私一人じゃないもん。













｢ 大切な人を失って寂しい気持ち分かるよ
今まで僕にもそいう同じ感情持った人は居なかった
だから、Aさんとは分かり合えるんだと思う ｣










私が今まで積み上げてきたモノを乙骨の言葉によって崩れて行く。

近い存在を求めてなんていない。私と貴方は同じ感情を持ち合わせていない。



筈なのにどうして。






『 あんた、頭可笑しいんじゃないの 』






私が嫌っているの分かっているのに。
よくもそんなことを本人の前で言える気持ちが理解出来ない。







｢ 僕もそう思うよ ｣







困ったように笑うその顔ですら。



怒らないんだ。普通の人ならきっと誰でも怒るのに。



自分の中で芽生える得体の知れない感情は乙骨によって掻き乱されていく。








『 乙骨憂太 』


｢ 憂太でいいよ、Aさん ｣






馴れ馴れしくその名前で呼ぶことなんて私には出来ない。


声に出せば簡単なことなのにその名を呼ぶことを躊躇う。



心臓を締め付けられるような感覚。




あぁ、ごめんね。私はこいつとは仲良くしない。
分かっている。貴方”も”嫌いなのだから。








『 ごめん。もう、放っておいて。』







全部、あの子の為なのだから。

柄にもなく先の一言で謝る私に初めは驚き、心配そうにする乙骨。

此方に向かって伸びる手が見える。


ダメだよ。触らないで。




また、あの時と同じように乙骨を突き放した。







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