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「真希さん、Aさんと二人きりにしてもらってもいい?」
「..次、Aを泣かすようなことあったら
私もタダじゃおかないからな憂太。」
「うん、分かってる。ごめん、ありがとう。」
椅子から立ち上がり、医務室から出ていく真希。
そして、取り残された乙骨とA。
まだ、苦しむAを見てきゅっと唇を噛み締めた。
泣いちゃダメだ。
一番、苦しいのは彼女の方なんだと。
せめて、この苦しみが終わるまでAの傍に居続けることを選択した。
苦しいのか一滴の涙が目から溢れる。それをそっと優しく拭った。
〖 ふふ、 〗
誰かの笑い声に思わず前に視線を向けた。
乙骨とA以外の誰か。
小さな姿、ベットで頬杖をつきながらじっと乙骨を見つめていた。
初めて見る姿と異常な程におぞましいオーラ。
ツ__と汗が流れる。
「き、みは。」
誰?と。
〖 臆病者、消えちゃえ 〗
指をさされ、不気味な笑みで微笑む。
全身がまるで氷のように固まって動けなくなる。唯一動かせる口でゆっくりと声を出した。
「 ダメだよ、里香ちゃん。僕は平気だから、Aさんを傷つけたりしないで」
里香の手がAに向かおうとしたがそれを乙骨は止めた。
それよりもこの、得体のしれない存在が先だと。
〖 わたしのA苦しいってあなたのせい 〗
「 違う僕じゃない。彼女を苦しめてるのは君の方じゃないのか 」
子供の姿とは思えない程のおぞましさ。
真っ赤な瞳が乙骨自身の姿を捉えていく。
Aと呟きながら、彼女に触れ愛おしそうに頬を撫でる。
「 君はAさんの、」
その先の言葉を言いかけたところで驚く光景が乙骨の目に入る。
苦しむAの頬に手を添え、ゆっくり、ゆっくりと顔を近づけ、
〖 もう、だいじょうぶ。A。〗
軽く接吻をした。
今まで苦しそうにしていたAの表情もみるみるうちに良くなっていき呼吸も落ち着いている。
一体、どうなっているのか理解の出来ない乙骨。
今、Aさんにキスをした___?
「君はAさんの親友なんだよね..」
ようやくその存在の正体が分かった。
〖 黙れよ、臆病者。お前と私は違う。〗
冷たい目でそう吐き捨てるかのように言うと、親友はまた消えて行く。
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ナミ - コメント失礼します!すごく面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください(^^) (2023年3月21日 17時) (レス) @page13 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿です - 面白いです!更新待ってます! (2022年4月9日 20時) (レス) @page11 id: ae233b0539 (このIDを非表示/違反報告)
天乃(プロフ) - はじめまして!とても面白くて読みやすくて最高です(TT)更新待ってます☺️ (2022年4月7日 0時) (レス) id: 0d8f1d3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(´・_・`) | 作成日時:2022年4月1日 20時