冠城くんの後輩。【相棒】

相棒season16 サクラ25 ページ46

Aside




右京と亘、Aが広報課に訪れると、石川が記者会見用の原稿を手に、社をこれまでにない勢いで問い詰めていた。


石川「"被疑者の上条喬樹、17歳は悪質なハッカー。
虚言癖があり、10代前半から、遊び感覚でハッキングを繰り返して”って…こんな内容を、課長は本当に記者会見で発表するつもりなんですか？」


堀部が「課長！」と美彌子に迫る。


『失礼。"こんな内容”とは？』


美彌子(A…。)


もしかしたら美彌子もあの安田って奴に脅されてる可能性が高いな…マリアちゃんのことで。


堀部「公安部が記者会見で発表する内容を指示してきたんです。銃撃とサイバー犯罪の被疑者として上条の顔と名前を公表した上で、この内容を会見しろと。」


石川「"被疑者の上条喬樹、17歳は悪質なハッカー。
虚言癖があり、10代前半から、遊び感覚でハッキングを繰り返して、警察のサーバーにもサイバー攻撃を仕掛けた前歴がある。
自作のウイルス等をダークウェブで販売して、利益を得ていたと思われ余罪を追求する方針”…逮捕後に取り調べをしてからならまだしも、逮捕前に警察が公式に発表したら、マスコミは事実として書きますよ！
こんな憶測、発表していいんですか？」


『これは憶測ではなく虚偽です。
特殊な技術がなければ入り込めないダークウェブは、
ドラッグ、違法ポルノ、銃器、人身販売等に至る闇市場の世界的な拠点となっています。
もし、喬樹くんがダークウェブで犯罪に手を染めていたのなら、銃など簡単に手に入る。
わざわざサクラを奪う必要などありません。
それは美彌…失礼、社さんもわかっているはずです。』


亘「課長、ちょっと…。」


防戦一方の美彌子に、先輩が耳打ちし、会議室に連れて行った。


亘「社課長、脅されているんじゃないですか？マリアちゃんのことで。」


『何者かが美彌…あなたを使って、事件の真相をねじ曲げようとしているのなら、事はあなただけの問題では済まない。
今回の事件には、あなたの古巣、内調が絡んでいる可能性が極めて高い。』


先程からAが社の名前を言い直しているのに、
右京と亘は違和感しかなかった。

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