監獄の中の男装少女＿2【ブルーロック】

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モニターに視線を戻した千切センパイ。






「…うん。なんつーかその…青い監獄(ブルーロック)に来る前の俺だったら、絶対味わえないようなゴールだったから…」







「多分このゴールは一生忘れないと思う」






「…そっか」






『……』







話が一段落着いたところで、潔センパイの左隣に腰を下ろす。







万が一、座り方で女だとバレないようにぎこちなく胡座をかく。






見てる人はそういうとこ、見てるから。






「いやー、でももっかいやれって言われても無理だなぁ。このゴールは」






「なんとなく走り込んだだけだし…。自分でもまだよく自分の武器のことわかってないんだよねぇ…」








そう言って苦笑いする潔センパイに、千切センパイが何かを考えるように上を向いた。







「”空間認識能力”が高いんだよ、多分お前」








あ、それって。








「ん？何それ？」






『三次元空間における物体の状態や関係…位置とか間隔、速さとか？それらを素早く正確に把握する能力のことだべ』





「そ、喩えるなら空からの神の視点みたいな」








その能力が”ゴールの匂い”を嗅ぎ分けてピンチを防いだり、誰も予想できないゴールを生んでいる。








「(”空間認識能力”…それが俺の武器……)」





「でもまだそれをお前は直感でやってる。だからもっと意識的に使えるようになれば……」









「その眼と脳は、唯一無二の武器になる」








「と、映像(コレ)観て思った」







目の前に広がる無数のモニターに目を移す。







そこには、潔センパイをピックアップした映像が流れていた。









ホント、普段の潔センパイとは想像が出来ない程の表情(カオ)だべ。








「ほぇーなるほど！ありがと千切！朔も！なんかすげぇヒントになった気がする！」








『んふふ、おれはなんもしてないべ。千切センパイが提示してくれたんだべさ』







「や、それでもだよ。千切も、いつも怖い顔してるけどいい奴だなお前！」








「別に。チームが勝つために言ってみただけだし」







確かに千切センパイはとんでもない美人さんだから、無表情でちょびっとだけ怖いかもしれない。

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