*占いの話 ページ39
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「見て無一郎!占いだ!」
ある日のデートの日、街の通りで私が占いのテントを見つけた
奥まったところにある、いかにもって感じのお店を.......
「えー、怪しくない?」
「面白そう!やろーよー」
無一郎は超現実派な為、こういった占いは一切信じないのだ
だから
「ね?お願い?」
必殺。上目遣いっ
無一郎がこれに弱いのを私は知っている.......
「っもう。分かったよ」
頬を赤くした彼は荒々しくテントの幕をめくった
「おやおや。随分若いお客さんだねぇ」
顔が布で隠されてて見えないが、歳のとった女性がタロットカードを並べている
「こんにちわ。私たちのこと、占って欲しいんです!」
「いいだろう.......」
占い師さんはどこからか水晶玉を取りだし、目を瞑る
「うーん、どうやらあんた達は前世から繋がってみたいだね。こりゃ珍しい」
前世かぁ.......
「前世だって。嬉しいねっ」
「ほんとかな」
無一郎の文句が占い師さんに聞こえてなくて安心した。
’
「前世かぁ.......何してたんだろ、私」
「そりゃ僕のお嫁さんでしょ」
無一郎はさらっと照れ台詞を吐く
「へへっ、きっとそーだね」
繋いでいる手を空に掲げた
「あ!もうすぐお祭りの時間だよっ早く行こっ」
私たちの本来の目的は、6時から始まる灯篭祭り。
大切な人と、願いを込めた灯篭を空に放つというもの。
湖で、小さな木のボートに乗りながら
「せーのであげようね?いくよ.......せーのっ」
ふわり.......と風に揺られながら、小さな火を囲んだ灯篭が宇宙へ向かう
「A、手だして」
「手?」
無一郎は、私の指に指輪を填めた
左手の、薬指
「遅れてごめんね。どうしてもこれがよくて.......」
「綺麗.......」
言葉を忘れてしまうほど、薬指の輪っかはきらきらと輝く
「前世でも未来でもどこでも、僕はAと一緒だよ」
「うんっ!ずっとね!」
満月の光を受けたゆびわに、私の涙が零れていく。
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えお子 - とっても素敵なお話ですね!!続きのお話もみてみたいです、、 (9月24日 1時) (レス) @page44 id: ab323fe17a (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - 最高でした!!!!!続きの小説に飛べないのですが、もう続きはでないのでしょうか、? (8月7日 16時) (レス) @page44 id: e2cd766be4 (このIDを非表示/違反報告)
雛 - もう続きは出ないのでしょうか🥲最高でした!!ホントもっと早く見つけたかった、、、めっっっっちゃかんどうしたしちょいちょい笑えるところもあって面白かったです!続き待ってます💪🏻 (6月30日 22時) (レス) @page44 id: e2cd766be4 (このIDを非表示/違反報告)
天 - まじ号泣です泣 (2021年8月14日 17時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
夜々*(プロフ) - いいシーンなのに、目からポカリで笑っちゃいました(笑) (2020年10月7日 14時) (レス) id: b94f92643a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつ | 作成日時:2020年5月16日 14時