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’
「A!!.......ナースコールっ」
たらりとしたものが流れてくる
赤くて、ぬるぬるしてて.......
これは、血だ
床には割れたティーカップ
そうか、私
これを投げられて.......
「A!!!誰か!早く!!」
「大丈夫、無一郎.......ちょっと当たっただけ」
そりゃ痛いけど、無一郎が受けた痛みほどじゃない
「お前、こんなことして.......許されると思うなよ」
「何よっ、この女がっ」
『どうしましたか?』
無一郎が鳴らしたナースコールにより、一人の看護師さんがやってきて
真っ青な顔で叫んだ後、ぞろぞろと他の看護師さんたちが入ってきた
『これは一体.......何が起きたの!?』
『あいつがやった!それより早く手当を!』
一人の看護師さんが持ってきたベッドに慎重に乗せられて、私はどこかへ運ばれて行った
『これは.......んー、縫わなくても大丈夫かな?』
病室で手当を受けるも、お医者さんが何を言ってるか全く持って分からないので苦笑いで誤魔化す
「A!!」
「無一郎」
こんなに血相を変えたの、見たことない
「お医者さん、何だって?」
「あー、なんかright?とか言ってるし大丈夫っぽいのかな?」
現に今も笑いながら親指立ててるし。
「よかった.......」
「無一郎、橋本さんは?」
「警察に連れてかれた。なんか僕を突き落としたのをみたって言う人も現れたらしいし。多分.......捕まると思う」
「そっか」
今までやってきたことが、全部跳ね返ってきたんだ
人の命を危険に晒してまで、本当に、この2年間何がしたかったんだろう
結局、何も得られてなかったし
どうかもう、彼女が暴走しないで欲しい
’
「あー、疲れたぁ」
ほんと、濃すぎる一日だった今日は
「ありがとね、送ってくれて」
「うん。ほんとにもう大丈夫?」
「へっちゃらだよ?」
「A」
無一郎がホテルに入ろうとする私の手を掴んだ
深刻そうな顔をして。でも、何かを躊躇うような。
「なに?」
無一郎は一呼吸置いて、長く溜めたあと
「結婚しよう」
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えお子 - とっても素敵なお話ですね!!続きのお話もみてみたいです、、 (9月24日 1時) (レス) @page44 id: ab323fe17a (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - 最高でした!!!!!続きの小説に飛べないのですが、もう続きはでないのでしょうか、? (8月7日 16時) (レス) @page44 id: e2cd766be4 (このIDを非表示/違反報告)
雛 - もう続きは出ないのでしょうか🥲最高でした!!ホントもっと早く見つけたかった、、、めっっっっちゃかんどうしたしちょいちょい笑えるところもあって面白かったです!続き待ってます💪🏻 (6月30日 22時) (レス) @page44 id: e2cd766be4 (このIDを非表示/違反報告)
天 - まじ号泣です泣 (2021年8月14日 17時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
夜々*(プロフ) - いいシーンなのに、目からポカリで笑っちゃいました(笑) (2020年10月7日 14時) (レス) id: b94f92643a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつ | 作成日時:2020年5月16日 14時