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気づけば私の足は病院へむかっていた
「橋本さん」
怒りに任せて
「ちょっと、遅かったじゃない。あんまり連れ回さないでくれる?おかえり、むいちろ.......」
彼女から伸ばされた手を、パシッとはらう無一郎
当然、何も知らない彼女は目を見開く
「全部、思い出したから.......もう、僕達には関わらないで」
「.....なぁんだ。思い出しちゃったんだ」
一変した彼女の表情と、今まで聞いたことの無いドス黒い声に身震いがする
例えるなら、そう。魔女みたい
「ふぅん。で?」
「あなたが、無一郎を階段から突き落としたって聞いたの。本当?」
「別にわざとじゃないし。ちょっと手が当たっちゃっただけ」
パンっ
無意識だった。
同時に初めてだった。
怒りで、体が勝手に動いたということが。
殴った彼女の頬は段々と赤く染っていく
「な、にするのよ!?」
「私の怒りは、この位じゃ足りない。今も、体が震えるの.....」
「勝手に怒れば?言っとくけど、私は何にも怖くないの。何にもね」
「無一郎の記憶が戻ったから何?言ったでしょ?私からは逃げられないって」
"そうよね、無一郎?"
彼女さ下衆な笑顔で笑いかける
「馬鹿みたい」
その姿を見て、思わず口に出た
「あなた、本当.......なんて言うか、惨めだよ」
「子供じゃないんだからさ、もっと正々堂々勝負すればいいじゃん。なのに.......こんなことまでして.......ほんっと、哀れだよね。笑えるくらい」
不思議なほど、私は落ち着いていた
反対に彼女はどんどん顔を赤くし拳を震えさせる
「はぁ?あんた.......どの口が言ってんのよ。こっちはねぇ、あんたの弱み握って....」
「撒けば?勝手に撒けばいいじゃない!」
「写真だのなんだの撒けば!?私はぜんっぜん痛くないから!私が一番辛いと思うのは.......思うのはっ」
2年前、あんな別れ方をさせられて
やっと見つけたと思えば階段から突き落とされてて
「やっと会えた好きな人に、忘れられることなの!」
どれだけ、辛かったか.......
きっと、彼女には分からない
「一生そうやって卑怯な人間として生きてけば!?あんたはそうしたって、何にも手に入らない!何も持てないんだから!」
ゴンッという鈍い衝撃の後に、パリンっという鋭い音が聞こえた
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えお子 - とっても素敵なお話ですね!!続きのお話もみてみたいです、、 (9月24日 1時) (レス) @page44 id: ab323fe17a (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - 最高でした!!!!!続きの小説に飛べないのですが、もう続きはでないのでしょうか、? (8月7日 16時) (レス) @page44 id: e2cd766be4 (このIDを非表示/違反報告)
雛 - もう続きは出ないのでしょうか🥲最高でした!!ホントもっと早く見つけたかった、、、めっっっっちゃかんどうしたしちょいちょい笑えるところもあって面白かったです!続き待ってます💪🏻 (6月30日 22時) (レス) @page44 id: e2cd766be4 (このIDを非表示/違反報告)
天 - まじ号泣です泣 (2021年8月14日 17時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
夜々*(プロフ) - いいシーンなのに、目からポカリで笑っちゃいました(笑) (2020年10月7日 14時) (レス) id: b94f92643a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつ | 作成日時:2020年5月16日 14時