【完】Яー18

Truth ページ43

’


｢何このドラマ。守る為に傷つけるとか。痛すぎでしょ。兄さん趣味悪いね｣




この時はまだ、恋とかそういうの、全然分からなかった




｢う"っうるせえ無一郎！お前もなっ、いつかわかる時が.......ううっ｣





でも、今わかったよ







｢ここに新菜Aが外国人の男と寝てる写真が入ってるの。あ、寝てるって意味は分かるよね｣




｢今の時代、SNS出あげたら一発で拡散だろ〜な。
彼女が将来有名になった時とか、困っちゃうね？
知人に送り付けることだって出来るし....
あーそれとも、ネットの中の危ないおじさんたちに捕まって変な事されちゃうかな？｣




｢彼女、守りたいよね？なら私の言う通りにして｣





やっと分かったんだ。




守る為に傷つけるということ。




それが、どれほど辛いのかも。








あの日、



片耳につけたイヤホンから、彼女からの指示が来て、それに従って別れを切り出した






心の中で、何度も謝った






今すぐ叫ぼうかと思った。







でもあの女が同じ場所にいる限り無理だったんだ








僕のイヤホンの片方は彼女がつけていて、僕の言う言葉を聞くことが出来るから、迂闊に変なことは言えなかった






だから、




せめてものお願いと思って、








昨日考えた馬鹿みたいな台詞を言った







幸い、あの女にはこの言葉の意味が真意が伝わらなかった








お願い、どうか君は気づいて欲しい








やり直そうなんて言わない。

ただ、最後に覚えといて欲しいだけなんだ








僕が、死ぬほど君を愛してたということを。








想いが伝わればそれでいい。







多分僕はきっと、この瞬間から君を透明人間として扱ってしまうから。




今後一切、関わらないようにしてしまうから







だから、最後に






どうか、伝わりますように

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