【完】Яー18

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考えたら当たり前なのに。無一郎が私の事なんかで妬くはずがない


それでも私は少なからず悲しくて。

駅までの道はずっと、黙っていた







｢A｣






そんな重い空気を、電車を待つホームで彼が引き裂く





｢ん？何｣






｢善逸と付き合うの？｣






｢.......そうしよっかな....なんか、結構喜んでくれてたし｣






ガッツポーズでめっちゃ腕ふってたし....
その腕がアオイに当たって怒られてたし







思い出し笑いでつい、口角が上がってしまう







｢なんで？｣






｢え？｣







なんでって.......言われても






｢別に、理由はないけど｣




｢理由も無しに付き合うの？それっていいの？｣




｢なに急に...？｣




｢だって、そんなの相手にも失礼でしょ｣




｢なんで.......そんなこと....｣




｢やめなよ。付き合うの｣






突然すぎる無一郎の急変っぷりに、最初は言葉が出なかったけど.......






｢じゃ、じゃあさ.......逆に聞くけど
無一郎はなんで付き合ったの？｣






段々と黒くて嫌な感情が湧いてきた






｢それは......【ガタンッゴトンーー】かったから｣




｢え？何？｣




無一郎の声と電車の音が重なって、丁度大事な部分が聞き取れなかった





｢.......別に。告白されたから｣




そう、彼は関係ないでしょみたいな顔で言う

それを聞いた途端、私を押さえつけていたものがプツンと切れた






｢だったら無一郎だって同じじゃん！好きでもないのに付き合って、相手に失礼じゃん！｣






溜まっていた想いを捨て台詞のように言った私は、その場にいられるはずがなく、ホームの階段を駆け上がる









もちろん、彼は追いかけてこない

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